韓国で軍入隊を控えた若い男性にとって最も恐ろしい言葉は、ガールフレンドが「ゴム靴を逆に履く」という言葉だ。2年近い軍服務期間中、互いに会うことができず、待ちくたびれた彼女が心変わりすることを意味する言葉。それほど軍隊は、韓国の男女の恋を妨げる最も大きな障害であると同時に、愛の深さを確認することができる重要な関門でもある。
こうした気持ちが誰よりもよくわかる青い目の少女が登場し、話題となっている。それは、イギリス出身の18歳の少女、アリ・アボット(Ali Abbot)さん。アボットさんは新年の願いとして、兵士として服務中の韓国人彼氏の「無事除隊」を挙げた。
ボーイフレンドのキム・ジェジョンさんの誕生日に合わせてお祝いのメッセージを送るアボットさん
アボットさんは、彼氏に送る「愛のメッセージ」を収めた動画をYouTubeに掲載し、オンライン・コミュニティで注目を浴びるようになった。現在、アボットさんの動画を見た人は約1万5000人。韓国語で丁寧に愛を表現する彼女の姿を目にした多くの男性が、アボットさんの彼氏をうらやましがっている。
2日付けの中央日報によると、アボットさんはボーイフレンドのキム・ジェジョンさんと2年ぐらい前にインターネットの文通サイトで出会ったという。韓国のアイドルグループ「ビースト」の歌に魅了され韓国の映画や芸能番組に関心を持つようになり、韓国という国に対する興味と愛情を育ててきた時期だった。当時、多くの人と文通サイトで知り合い手紙をやりとりしたが、なぜかキムさんからのメールにだけ、一際心の込もった丁寧な返信を出すようになったという。一カ月以上メールをやりとりした2人は、自然に恋人関係に発展した。
アボットさんはロンドンでボーイフレンドと一緒に作った思い出を動画に制作し、YouTubeに掲載した
約6カ月間のメールのやりとり後、2013年8月、キムさんはアボットさんに会うため約9000キロ離れたイギリス・ロンドンに向かった。約2週間という短いデートの後、キムさんは韓国に戻り、2人は毎日のようにビデオチャットをしながら寂しさを紛らわした。その後10月にキムさんは兵役のため軍に入隊し、アボットさんは一途な心で彼氏を待っている。
中央日報は2日付けの新聞で、軍に入隊した彼氏を待っている英国の少女、アボットさんの話を紹介した
彼氏への愛のメッセージをテーマに動画を作ってきたアボットさんは、今では辛いラーメンを食べる姿や、キョンサンド(慶尚道)方言のまね、修学能力試験の応援など、韓国の文化を題材にした様々な動画を制作・掲載するようになり、人気を得ている。こうした中で、他の韓国人とも自然に交流し、韓国についてもっとよく知るようになったという。
アボットさんは、7月に除隊する彼氏を想いながら、「もっとたくさんの動画を掲載し、手から血が出るまで勉強も一生懸命したい」と話す。
コリアネット イ・スンア記者
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