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2026.03.10

ネットフリックスを代表するオリジナルシリーズ、『ブリジャートン家』シーズン4で主演を務めるハ・イェリンが4日、ソウル市中区にあるコミュニティハウスマシルで開かれた来韓記者懇談会でポーズを取って披露した

ネットフリックスを代表するオリジナルシリーズ、『ブリジャートン家』シーズン4で主演を務めるハ・イェリンが4日、ソウル市中区にあるコミュニティハウスマシルで開かれた来韓記者懇談会でポーズを取って披露した


[ソウル=ソ・エヨン]

幼い頃、韓国で演劇の舞台に立つ祖母の姿に、漠然と夢を膨らませていた少女が、今や世界の中心で脚光を浴びる俳優へと成長を遂げた。ハリウッドの新たなアイコンとして浮上した韓国系オーストラリア人、ハ・イェリンの物語である。

ネットフリックスを代表するオリジナルシリーズである『ブリジャートン家』シーズン4でアジア系の主人公を演じるハ・イェリンが4日、ソウル市中区にあるコミュニティハウスマシルで開かれた来韓記者懇談会に出席した。彼女は作品への出演に対する率直な心境とともに、俳優として向き合ってきた自らのアイデンティティについて語った。

『ブリジャートン家』は、アメリカの小説家であるジュリア・クインの同名小説を原作に2020年からスタートした。19世紀のイギリスを背景に、貴族社会の社交界を現代的な感性で描き出し、世界的な人気を博した。シーズン4では、ベネディクト・ブリジャートン(ルーク・トンプソン)とソフィー・ペク(ハ・イェリン)のロマンスを軸に物語が展開する。先月26日の全8話一挙公開直後には、ネットフリックスのグローバル英語ショー部門において、82カ国で首位を獲得。シリーズの圧倒的な人気を改めて見せつけた。

ネットフリックスのオリジナル韓国ドラマ、『ザ・グローリー』に出演した俳優のソン・スク=ネットフリックス

ネットフリックスのオリジナル韓国ドラマ、『ザ・グローリー』に出演した俳優のソン・スク=ネットフリックス


オーストラリア出身のイェリンは、韓国の桂園(ゲウォン)芸術高等学校で演技を学んだ後、オーストラリアの国立演劇学院(NIDA)に進学した。卒業公演の準備中に挑んだオーディションで、スティーブン・スピルバーグ監督制作のパラマウントプラスのドラマ、『HALO(ヘイロー)』(2022年)への出演を勝ち取り、その名を世に知らしめた。

彼女が俳優を志すきっかけとなったのは、韓国演劇界の重鎮であり、実の祖母でもあるソン・スクの存在だ。イェリンは、「幼い頃、韓国を訪れるたびに祖母の舞台を観ていたが、その中でも祖母のひとり芝居が最も鮮明に記憶に残っている」と話した。さらに、「子どものように枕を抱いて泣くシーンで、観客も共に涙を流していた。演劇を通じて共感を生み、人々に寄り添う俳優という職業に魅力を感じた。祖母から受けたインスピレーションは計り知れない」と、自らの原点を語った。

82歳という高齢ながら、ソン・スクは、今も演劇『老人の夢』の舞台に立ち、精力的な活動を続けている。イェリンは、「明日、また祖母の演劇を見に行く予定だ」と微笑みながら話した。

ネットフリックスを代表するオリジナルシリーズ、『ブリジャートン家』シーズン4の場面写真=ネットフリックス

ネットフリックスを代表するオリジナルシリーズ、『ブリジャートン家』シーズン4の場面写真=ネットフリックス


西洋の時代劇に韓国系俳優が登場するということは、『ブリジャートン家』シリーズが掲げる「現代的な再解釈」の価値をはっきりと示している。

原作小説に登場するキャラクター「ソフィー・ベケット」は、ハ・イェリンの起用に伴い、劇中では「ソフィー・ペク(Baek)」へと生まれ変わった。彼女は、「出演が決まった後、オンラインミーティングで、ソフィーの名字を韓国式に変えてはどうかという提案を受けた」と明かし、「『B』で始まる名字を考えた末に『ペク』を提案した」と経緯を説明。さらに、「韓国系俳優として、自らのアイデンティティに合わせて役名を変えられたことは、非常に誇らしく、喜ばしいことだった」と、晴れやかな心境を語った。

人種の多様性も『ブリジャートン家』シリーズを象徴する大きな特徴だ。イェリンは、ハリウッドが次第に有色人種にも開かれた環境へと変化していることを実感しているという。「『アジア人』を代弁し、変化を主導する役割を担えることは光栄だが、同時に、嬉しい反面、重い責任も感じている」と強調した。

『ブリジャートン家』の次シーズンへの出演に意欲をにじませた彼女は、韓国作品への出演に対しても期待も寄せた。「機会があれば、ぜひ韓国の作品にも挑戦したい」とし、「韓国作品を通じて国際映画祭の舞台に立つことができれば、 俳優としてこの上ない光栄だと思う」と話した。

xuaiy@korea.kr