政策

2026.03.19

相互文化交流センターで韓国語の授業を受ける外国人学生=2025年、京畿道・金浦市、 相互文化交流センター

相互文化交流センターで韓国語の授業を受ける外国人学生=2025年、京畿道・金浦市、 相互文化交流センター


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「義務教育」の本質は、すべての子どもが平等に教育を受ける権利を保障することにある。韓国では、小中学校の9年間がその対象だ。毎年12月、各自治体は翌春に小学校入学を控える6歳児の家庭へ「就学通知書」を送付する。この通知書は、居住地の近くの公立学校に配属されることを知らせるもので、子どもたちにとって学びの門出を告げる重要な一通だ。

しかし、届くはずの「就学通知書」が手元に届かない子どもたちがいた。それは、外国籍の子どもたちだ。その背景には、行政の「縦割り」による弊害があった。韓国籍の児童の情報は行政安全部が、外国籍の児童の情報は法務部がそれぞれ管理しており、自治体側は地域に住む外国籍児の実態を正確に把握できていなかったのだ。その結果、学校が近くにあっても案内を受けられないケースもあり、教育に関する情報が十分に行き届いていなかった。こうした構造的な課題に対し、京畿道金浦(キンポ)市は、情報共有の不備を改善し、国籍を問わずすべての子どもが平等に学べる環境を整備した。

金浦市の取り組みは、2023年から本格化した。外国籍の児童の教育権を保障するため、法務部に情報提供を求めた。しかし返ってきたのは、「個人情報保護法上、不可能」という拒絶だった。

金浦市はあきらめず、粘り強く対応した。国務総理所属の個人情報保護委員会に働きかけ、教育権保障の正当性を示し、ついに情報提供の承認を得た。そして2024年末、韓国で初めて6歳の外国籍児童112名に対し、「就学通知書」が送付された。

外国籍児童への「就学通知書」の発送過程を説明する、金浦市家族文化課のイ・フェスク課長=4日、京畿道・金浦市、パク・デジン

外国籍児童への「就学通知書」の発送過程を説明する、金浦市家族文化課のイ・フェスク課長=4日、京畿道・金浦市、パク・デジン


金浦市の取り組みは、京畿道全域へと急速に拡大した。実施初年度の2024年には、合計21の市・郡で2037人の子どもに就学通知書が送付された。翌年には参加自治体が30に増え、3629人の子どもに学びの機会が提供された。京畿道内31市のうち、6歳の外国人児童がまったくいない義王(ウィワン)市を除き、すべての自治体が本取り組みに参加した。

通知書は、受取人の母国語に加え、英語および韓国語の計3カ国語で各家庭に配布された。さらに、英語と韓国語を除く18の言語にも翻訳された。

金浦市の取り組みは、通知書を送るだけにとどまらなかった。各家庭に確実に通知書が届いたかを確認し、さらに学校にも公文書を送り、対象となる児童が無事に入学したかを確認した。その結果、昨年は78%の子どもが居住地の公立学校に入学した。

学校外においても、きめ細かな支援が展開されている。相互文化交流センターを拠点に、国語や算数はもちろん、図工、サッカー、心理カウンセリングなどを含む子ども向け総合支援プログラムを運営し、子どもたちの成長を支えている。

金浦市は、昨年12月に開催された「2025地方自治体外国人住民支援優秀事例コンテスト」で、最優秀賞を受賞した。

イ・フェスク課長は、「入学通知書の発送は、単なる行政手続きではなく、すべての子どもを差別なく受け入れる姿勢を具現化したものだ」と述べた。さらに、「金浦市は今後も外国人住民と互いに尊重し合い、共に成長する共生都市の実現を目指す」と語った。

jihlee08@korea.kr