対象者宅を訪問し、ケアサービスを提供する訪問型京畿道介護医療センターの医療スタッフ=京畿道庁
[キム・へリン]
高齢者や障がい者が、病院や施設ではなく住み慣れた自宅でケアを受けられる「地域包括ケア」制度が27日、全国で施行された。
保健福祉部が2023年に実施した高齢者実態調査によると、高齢者の87.2%が住み慣れた場所で暮らし続けることを望んでいる。同年の障害者実態調査では、19歳以上の障がい者の84.8%が平均2.5の慢性疾患を抱えていることが分かった。複合的な医療・介護支援の必要性は高い。
一方、医療・介護・福祉サービスの利用には、各機関を個別に回る必要があり、手続きが煩雑で利用しにくいという課題があった。
今回の制度導入により、こうした状況は大きく改善される。邑・面・洞の行政福祉センターや国民健康保険公団に一度申請すれば、「ワンストップ」でサービスを受けられる。総合判定調査を経て個別支援計画が策定され、保健医療、健康管理、長期介護、日常生活支援の4分野のサービスが一体的に提供される。
今回の全国実施は、16市郡区による先導事業(2019~2022年)と、12市郡区が参加したモデル事業(2023~2025年)を通じて実証を重ねてきた結果だ。
全国モデルとされる忠清北道・鎮川郡では、7年間の事業運営により、退院後も自宅で生活する高齢者・障がい者の割合が増加するとともに、長期介護給付を年間15億ウォン以上削減した。
大田市・儒城区では、高リスクの独居高齢者に対し、訪問診療と栄養支援を一体的に提供し、再入院リスクを低減した。大徳区では、軽度認知症高齢者向けのケアプログラムにより、家族の抑うつ指数が79%低下した。
モデル事業の調査では、回答者の69.8%が導入後、介護負担の軽減を実感したと回答した。
江原道・平昌郡は26日、統合ケア体制の構築に向け、6つの専門機関と業務提携協定を締結した=平昌郡庁
政府は制度の定着に向け、財政支援と人材体制を大幅に強化した。今年の関連予算は前年度の71億ウォンから914億ウォンへと約13倍に拡大し、このうち620億ウォンを地域サービスの拡充に充てる。高齢化率や医療資源の不足状況などを踏まえ、自治体ごとに配分する。全国229の市郡区には専任人員5346人を配置した。さらに、全国1162の協力病院が退院予定患者のうちケアが必要な人を自治体に引き継ぐ連携体制も稼働させる。
複合的な支援を必要とする高齢者や障がい者は約242万人と推計される。対象者は所得に関係なく、ケアの必要度に基づいて選定される。政府は、緊急性の高い高リスク層から段階的に支援対象を拡大する方針だ。
離島や山間部など、サービスが行き届きにくい地域にも対応する。保健福祉部は仁川、江原、忠南、全北、全南、済州の6地域を対象に、来月から地域特性に応じた統合ケアを提供する。全羅南道の島しょ部ではAIロボットを活用した見守りサービスを導入し、済州・飛揚島では生活支援とメンタルヘルス支援を組み合わせたサービスを提供する。
政府は今回の施行を本格導入の起点として、制度を段階的に拡充する。導入期(~2027年)には主要30サービスの連携を優先し、安定期(2028年~)には精神疾患にも対象を広げる。2030年以降の高度化期には、訪問リハビリや通院同行、終末期ケアを含む60サービス体制へと拡大する計画だ。今年下半期には実態調査を踏まえ、5カ年の統合支援基本計画を策定する方針だ。
kimhyelin211@korea.kr