韓国の行政モデルが国境を越え、世界の注目を集めている。行政安全部は先月、93カ国の外交使節団に向けて韓国の公共行政における革新的な取り組みを紹介し、「行政韓流」の可能性を示した。コリアネットでは、災害管理やスマート農業、山林復元、行政都市の建設など、韓国政府が推進する五つの革新事例を、全5回にわたって取り上げる。
智異(チリ)山トゥルレ道を歩く登山客=山林庁
[ソウル=テレシア・マーガレット]
[写真=山林庁]
近年、韓国は豊かな山林と美しい景観を誇る国として国際的に広く知られている。ソウルをはじめとする主要都市の近郊には、市民が日常的に親しめる緑豊かな山麓が連なり、その風光明媚な姿は国の象徴とも言える。しかし、この景観は決して偶然の産物ではない。国を挙げた体系的な山林緑化政策が実を結んだ結果である。
この成果に至るまでの道のりは、苦難の連続であった。日本による植民地時代の収奪と韓国戦争の勃発により、国土は無残に荒らされた。戦争直後の1953年には、全国の山の約半分が、木々の一本すら見当たらない「裸山」へと化した。当時の樹木体積(立木蓄積)はわずか3600万㎥。これは、初の全国統計が作成された1927年以降、過去最低の数値であった。
山林がほとんど残されていない1960年代の京畿(キョンギ)道・坡州(パジュ)市の文山(ムンサン)駅一帯の様子=山林庁
政府は、1970から1980年代にかけ、山林緑化政策を強力に推進した。経済成長に伴い、家庭用燃料が薪(まき)から化石燃料へと切り替わったことも影響し、無秩序な伐採や焼畑農業が急速に減少し始めた。大規模な造林事業と厳格な山林保護政策が並行し、山林再生は転機を迎えた。その結果、2020年時点の立木蓄積は、1953年比で29倍へと急増。これこそ、韓国が途上国の段階から短期間で山林緑化を成し遂げた成功事例として評価される理由だ。
山林緑化を支えた主因の一つは、地域の山林組合を中心とした住民による主体的な参加である。わずか半世紀の間に、樹木の総量は約15倍に膨らんだ。山林の資源量は、1972年の1ヘクタール(ha)10㎥から、2020年には165㎥となり、約60年間で28倍という驚くべきスピードで増加した。その結果、韓国は「荒廃した途上国」から「山林緑化を成し遂げた先進国」へと転換を果たした。
現在、韓国の森林面積は国土の約63%に達している。この比率は、世界平均(31%)の2倍を超えており、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で第4位の森林率を誇る。
『山林緑化の記録物』は、2025年にユネスコの「世界の記録」に登録された。慶尚北道(キョンサンブクド)・浦項(ポハン)市にある迎日(ヨンイル)湾一帯で、1973年から1977年にわたって山林復旧が行われた過程を収めた写真=山林庁
こうした山林緑化の歩みと成果は、『山林緑化の記録物』として集大成され、国際的な価値を認められた。韓国戦争以降、荒廃した国土を官民の協力で再建した過程を記した記録物は、昨年4月にフランスで開催された「第221回ユネスコ執行理事会」において、ユネスコ「世界の記憶(世界記憶遺産)」への登録が決定した。
登録された記録物は、造林台帳や政策文書、セマウル運動による苗木育成記録、航空写真、洪水対策資料など、計9619件の原本が収められている。山林復旧の過程に加え、山火事や土砂災害への対応など、環境管理全般について記録されており、世界的な政策資料として高い価値を有していると評価された。
『山林緑化の記録物』は、官民が協力して成果を成し遂げた代表的な例と言える。この記録は、途上国の公務員を対象とした教育や山林分野の政府開発援助(ODA)といった、国際協力の現場において、貴重な資産として活用される見通しだ。さらに、気候変動への対応や砂漠化対策、山林生態系の復元など、地球規模の環境問題の解決に向けた人類共同の政策指標としても重要な意味を持つ。
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