政策

2026.05.28

「国民が主人である国、共に幸せな大韓民国」を国政ビジョンに掲げる李在明(イ・ジェミョン)政権が、今年6月4日で発足1周年を迎える。コリアネットは、政権の1年間の主要成果を全5回にわたって取り上げる。第3回は、ケア・医療・労働など国民生活の基盤強化に向けた政策の成果を振り返る。


[キム・へリン]

労災事故による死亡者数は17.5%減少し、長期延滞債権1兆8000億ウォン分を整理したほか、地域統合ケアを全国に拡大した。さらに、農山漁村の基本所得モデル事業地域では人口が4.7%増加した。「基盤の強い社会」を掲げた李在明政権発足1年目の主な成果だ。

青瓦台で開催された労働節記念式で国民の儀式を執り行う李大統領=4月1日、大韓民国青瓦台

青瓦台で開催された労働節記念式で国民の儀式を執り行う李大統領=4月1日、大韓民国青瓦台


労働権の見直し
国会を通過した労働組合法改正案、いわゆる「黄色い封筒法」は、元請け企業の使用者責任を下請け労働者にも広げ、スト参加者への損害賠償請求を制限する内容を盛り込んだ。「勤労者の日」の名称も「労働節」へ変更された。

/ 労働中にけがをする人も減った。政府は労働安全総合対策を策定し、産業災害防止事業の予算を過去最大となる1兆5758億ウォンに拡大した。その結果、今年第1四半期の産業災害事故死亡者は前年同期比17.5%減少し、関連統計の作成開始以来、四半期ベースで最も低い水準となった。

待遇改善と仕事・家庭の両立支援も進んだ。政府は2027年から、公共部門の短期契約労働者約7万3000人を対象に、契約期間に応じて月額基準額の8.5〜10%を支給する「公正手当」を導入する方針だ。育児休業取得者数は前年より39.1%増加し、男性利用者は60.7%増の6万7000人に達した。

国会で開催された第435回国会第1回本会議で、生命安全基本法案が可決された=7日、ソウル、聯合ニュース

国会で開催された第435回国会第1回本会議で、生命安全基本法案が可決された=7日、ソウル、聯合ニュース


安全を国家の責任として

政府はセウォル号惨事から12年を経て「生命安全基本法」を制定し、国民の安全権を法律で明文化した。梨泰院(イテウォン)惨事など4大惨事の遺族を招き、政府として公式に謝罪し、慰労する場を設けた。安全を法と国家責任の領域へと引き上げた変化だ。

現場の防災対応にも改善がみられる。今年春の山火事の被害面積は前年に比べ99%以上減少し、人的被害はゼロだった。主火災の鎮火時間も過去5年平均の3時間44分から1時間34分へと短縮され、58%減となった。BTSの光化門公演など大規模イベントが続く中でも、雑踏事故は発生しなかった。

イ・オクウォン金融委員長=2025年12月8日、釜山、金融委員会

イ・オクウォン金融委員長=2025年12月8日、釜山、金融委員会


債務整理で再起を支援
政府は長期延滞債権問題への対応として「新飛躍基金」を発足させた。7年以上延滞した5000万ウォン以下の債権8兆4000億ウォン分を買い取り、約66万人に対する取り立てを停止した。このうち社会的弱者約20万人分の債権1兆8000億ウォンは優先的に消却した。

庶民金融の利用ハードルも下げた。低信用者向け特例保証など政策的な庶民金融商品の金利を、従来の最高15.9%台から12.5%台に引き下げた。信用履歴が乏しい未就業・就業初期の若者を対象に、年利4.5%で最大500万ウォンを支援するローンも新設した。

医療サービス対象者の自宅を訪問し、介護サービスを提供する医療スタッフ=京畿道庁

医療サービス対象者の自宅を訪問し、介護サービスを提供する医療スタッフ=京畿道庁


日常に浸透した福祉

「地域ケア統合支援法」の施行に合わせ、統合ケアを全国に拡大した。高齢者や障害者、精神疾患者らが施設や病院に入らず、住み慣れた地域で医療とケアを同時に受けられる仕組みで、1人当たり平均3.3件のサービスが連携されている。

基礎生活保障の生計給付は4人世帯基準で初めて月額200万ウォンを超える208万ウォンに引き上げられた。食事に困っている人に食料や生活必需品を即時支援し、福祉相談までつなぐ事業は、累計利用者が10万人を超えた。

農山漁村基本所得のモデル事業でも一定の成果が出た。人口減少地域の住民に毎月15万ウォンをバウチャーで支給し、地域内消費を促す仕組みで、今年2月から10郡で開始された。事業開始後、モデル地域の人口は4.7%増加し、流入人口の43%が首都圏や近隣大都市からの移住者だった。登録加盟店数も13.2%増えた。

▲ 최교진 교육부 장관이 15일 스승의 날을 맞아 세종 해밀유치원에 방문해 학부모가 준비한 스승의 날 기념 활동을 함께 하고 있다. 교육부

教師の日に幼稚園を訪問し、保護者が用意した記念行事に参加するチェ・キョジン教育部長官=15日、世宗、教育部


生涯の出発点から国家が支える
教育・保育分野でも国家責任の強化が本格化した。昨年7月には5歳児約27万8000人を対象に無償教育・保育を実施し、今年3月からは対象を4〜5歳児約50万3000人へ拡大した。

保護者の負担となっていた幼稚園・保育園費用は大幅に減少し、利用児童数も約6万5000人増加した。

また、小学3年生を対象に、年間50万ウォン相当の放課後プログラム利用券を新設した。学校と地域が連携した小学校のケア・教育体制整備の一環で、国の支援対象となる小学生数は前年より10万8000人増加した。

地域均衡政策としては、自律型公立高校や協約型特性化高校35校が新設され、ソウル大学級の大学を各地域に育成する構想や、地方大学中心の人材育成政策が進められた。地方大学の競争率は前年より11.6%上昇した。

李大統領は20日の閣議で、「国民の生活により大きく実質的な変化をもたらすため、初心を改めて胸に刻み、国政運営に臨む姿勢を引き締める必要がある」と述べ、2年目の方向性を示した。発足からの1年が法制度の基盤整備の時期だったとすれば、今後の課題はその枠組みを国民の日常で実感できる形へと移していくことだ。

kimhyelin211@korea.kr