科学技術

2025.02.28

リートンテクノロジーズのイ・セヨン代表

リートンテクノロジーズのイ・セヨン代表


[コ・ヒョンチョン] 
[写真=リートンテクノロジーズ]

韓国語が上手なAIとして、韓国の国民10人に1人が使っている「リートン」。リートンテクノロジーズの「リートン」は、2023年3月に正式発売され、月あたりのアクティブユーザー数(MAU、MonthlyActiveUsers)は、すでに500万人を突破。米シリコンバレー、国内外の主要ベンチャーキャピタルなどから誘致した累積投資金額は約480億ウォン。. 

リートンは、多様な生成 AIを一つのプラットフォームで、無料で無制限に提供するAIポータルサービス。「ファーストムーバー(First Mover)」であるリートンは「GPT-4o」、「ステーブルディフュージョン3」、「クロード3」など、全世界的に話題になった最先端AIサービスを、毎回いち早くローカル化し提供してきた。 

「リートン」を使えば、最近セキュリティが問題になっている「ディープシーク-R1」も安全に利用できる。「ディープシーク-R1」を別途のクラウドに搭載し、製作会社と物理的に分離させたからだ。リートンの「安全サービス」を利用すれば、入力されたデータが特定国家に伝送されず、AI学習に利用される恐れも全くない。

リートンの「安全サービス」を利用したければ、カカオトークチャンネルで「リートン」チャンネルを検索し、友だち追加するだけで準備完了。アプリ設置もいらず、様々なサービスが無料で手軽に利用できる。イ・セヨン代表は「今後もAIをうまく活用するための、ベストな環境を作るために尽力する」と話した

リートンのAI検索は無料で制限なく利用できるが、スピードとクオリティが優れている。ユーザーからのあいまいな質問に対しても、AIがポイントをまとめて適切に回答してくれる。ユーザーの意図をしっかりとキャッチし、それに最もふさわしい検索結果とAIモデルを組み合わせて答えを出してくれるのだ。

リートンは、既存の大規模言語モデル(LLM)の限界を超えるべく、検索増強生成(RAG)とインターネットブラウジングAIエージェント技術を活用した。また、1年以上AIポータルサービスで集めたユーザーの発言をデータとして分析した。

昨年10月には、自社のキャラクターサービスの有料化を試み、収益化にも成功した。キャラクターサービスの「スーパーチャット」は、ユーザーがAIキャラとチャットを楽しむ際に、高性能のAIを適用し、より豊かでリアルなチャットが楽しめるように部分有料化したサービス。たった3カ月で、月約20億ウォンの売り上げを記録した。

リートンのオフィスを訪問したUAE経済使節団=2023年11月10日、ソウル・江南区

リートンのオフィスを訪問したUAE経済使節団=2023年11月10日、ソウル・江南区


リートンは海外進出にも積極的だ。日本では2023年にサービスを開始した。現在は、中東市場をターゲットとしている。2023年11月には中小ベンチャー企業部の招待で訪れたUAE経済部長官が、唯一訪問した生成AI企業として注目を集めた。UAEは中東でサウジアラビアと共に、生成AIインフラへの政府の関心が高い国だ。投資も活発に行われている。


20代の若さのイ・セヨン代表は「転換期が来るたびに世の中を変えたのは20代のCEOだった」とし、「リートンを生成AIのスーパーアプリにしたい」と話した。韓国は、グローバルサービスに対抗し、韓国生まれのサービスが国内で圧倒的なシェアを誇っている。ネイバーやカカオがいい例である。リートンの目標である「日常生活の中で、ユーザーとAIが触れ合える毎日」が、一日も早く実現されるよう応援する。

hjkoh@korea.kr