科学技術

2026.07.08

「2026公共AI博覧会」の入り口=6月23日、高陽、チョン・ウィソク

「2026公共AI博覧会」の入り口=6月23日、高陽、チョン・ウィソク


[高陽=チョン・ウィソク]

人工知能(AI)が社会全体のイノベーションをけん引する中、公共部門にも変化の波が押し寄せている。

行政安全部が先月23日から24日まで京畿(キョンギ)道・高陽(コヤン)市のKINTEXで開催した「2026公共AI博覧会」は、公共サービスの未来を直に体感できる場となった。

外国メディア向けのプレスツアーが実施された先月23日、その革新の現場を訪ねた。ツアーは、ハッカソン本選大会、博覧会のドーセント(案内スタッフ)ツアーおよび展示館観覧、そして開幕式の順で行われた。

公共機関の職員と公務員によるAIハッカソン本選会場で、参加者たちがトーナメントに集中している様子=6月23日、高陽、チョン・ウィソク

公共機関の職員と公務員によるAIハッカソン本選会場で、参加者たちがトーナメントに集中している様子=6月23日、高陽、チョン・ウィソク


午後1時を少し回った頃、 AIハッカソンの本選大会場は、すでに張り詰めた空気に包まれていた。ハッカソンとは、限られた時間内にアイデアを出し、ソフトウェアやサービスを開発するイベントを意味する。画面を鋭く見つめながら作業に没頭する参加者たちからは、並々ならぬ熱気が伝わってきた。今回の大会は、IT職の職員と行政職の職員が対決する、トーナメント形式の「バイブコーディング(生成AIに自然言語で指示を出してコードを生成させる手法)」で競われた。

本選には、全国から200チームが応募し、その中から24チームが進出した。8.3倍という高い倍率が示すように、これまで「専門家の領域」とされてきたAI開発が、行政の現場にも深く浸透していることを実感した。

大企業からAIスタートアップまでが勢ぞろいした博覧会の現場では、来場者によるサービス体験やビジネスマッチングの相談が行われた=6月23日、高陽、チョン・ウィソク

大企業からAIスタートアップまでが勢ぞろいした博覧会の現場では、来場者によるサービス体験やビジネスマッチングの相談が行われた=6月23日、高陽、チョン・ウィソク


その後、ハッカソンの会場を後にし、展示会場へ向かった。会場は、企業や公共機関による56のブースがひしめいていた。

中でも「ネイバー」のブースに展示された「AI国民秘書」の前で足が止まった。民間のアプリを活用し、公共サービスをより手軽に利用できるようにするもので、AIとやり取りしながら電子証明書の発給や公共施設の予約まで行える。

実際に体験してみると、手続きは非常に簡単だった。ネイバーアプリでQRコードを読み取り、「AI国民秘書」をクリックする。すると、モバイルメッセンジャーのようにメッセージ入力画面が現れる。試しに「住民登録謄本を発行して」と入力してみた。利用規約への同意を求める案内が表示されたため、スタッフに尋ねると、同意した後に画面の案内に沿って手続きを進めれば発行が完了するとのことだった。日常生活の中で、公共サービスがこれまで以上に便利かつ迅速に利用できるようになったことを実感した。

続いて案内スタッフ(ドーセント)の誘導で、公共分野に特化したAI企業「42MARU(フォーティートゥーマル)」のブースを訪れた。公共機関がAIを導入する際の最大のハードルは、「セキュリティ」と「正確性」である。同社は、データを外部に送信せず、内部でシステムを運用して情報を保護するとともに、出典や根拠に基づいた信頼性の高い回答を生成することで、この課題を解決した。

「2026公共AI博覧会」の開幕式は、多くの来場者で賑わっていた。右の写真は、歓迎の挨拶を行う行政安全部のキム・ミンジェ次官=6月23日、高陽、行政安全部(右の写真)

「2026公共AI博覧会」の開幕式は、多くの来場者で賑わっていた。右の写真は、歓迎の挨拶を行う行政安全部のキム・ミンジェ次官=6月23日、高陽、行政安全部(右の写真)


プレスツアーの最後のプログラムは、公共AI博覧会の開幕式だった。キム次官は歓迎の挨拶で、「デジタル政府を超え、AI民主政府へと進化していく」と述べ、「AI民主政府とは、国民の、国民による、国民のための民主的価値を行政のあらゆる領域で実現する政府である」と語った。

「AI民主政府」が目指すのは、「国民と共につくる、親切かつ有能な政府」を実現することである。会場で目にした公共AIは、単なるシステムの導入ではなく、行政の在り方そのものを変革する可能性を示していた。AIが行政の働き方や国民の暮らしをどこまで変えるのか、その進化から今後も目が離せない。