スミレ=聯合ニュース
スミレの果実の「ジッパリング」と呼ばれる裂開の様子=科学技術情報通信部
一般的な植物は、果実がはじける衝撃で種子を一度に放出する。これに対してスミレは、 乾燥によって果実が内側へ反り返る力を利用し、種子を一粒ずつ順番に押し出す。
研究チームは、この独特な仕組みを明らかにするため、果実の構造を分析した。その結果、果実は乾燥が進むにつれ、ジッパーを閉じるように一方向へ連続して折れ曲がることが分かった。力が加わる作用点が種子の配列に沿って少しずつ前方へと移動するため、 並んだ種子が先頭から一粒ずつ弾き飛ばされる仕組みだ。
このように力の作用点を順次移動させる動きは、ロボット工学でも高度な制御技術が必要となる。しかしスミレは、モーターや制御装置を使うことなく、果実の構造だけで高度な動きを実現している。
さらに、スミレの果実は、力を効率よく伝える半円形の構造を備えている。研究チームは「この構造により、果実が折れ曲がる際に生じる力が効率よく種子へ伝わるため、種子を一粒ずつ弾き飛ばすことが可能になる」と説明した。
今回の研究は、複雑なモーターやバッテリー、配線を必要とせず、構造そのものを利用して動く次世代ソフトロボットの開発につながる可能性を示した。
将来的には、体内の細い血管内を移動する医療用ソフトロボットや、手術部位を自動で閉じて固定する創傷閉鎖パッチ、人間の筋肉のようにしなやかに動く人工筋肉など、幅広い医工学分野への応用が期待される。
研究チームは「スミレは、最小限の資源で効率的に力を伝えられるよう進化してきた。今回の研究は、自然界の構造だけで極めて精緻な動きを具現化できることを証明した」と述べた。
hjkoh@korea.kr