科学技術

2026.08.21

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シャボン玉の膜に着想を得た超薄膜の形成過程と、呼吸に伴う肺胞の動きを再現した3次元人工肺モデル=POSTECH

シャボン玉の膜に着想を得た超薄膜の形成過程と、呼吸に伴う肺胞の動きを再現した3次元人工肺モデル=POSTECH


[テレシア・マーガレット] 

韓国の研究チームが、約24万回の呼吸運動を繰り返しても安定して機能する超薄膜の人工肺モデルを開発した。

浦項工科大学(POSTECH)は18日、新素材工学科・IT融合工学科のチョン・ソンジュン教授の研究チームが、肺の中にある空気の袋状の組織「肺胞」の動きを再現し、肺細胞の反応まで観察できる人工肺モデルを開発したと発表した。

人が息を吸ったり吐いたりするたびに、肺胞は伸び縮みを繰り返す。こうした動きは、肺細胞の成長や機能だけでなく、炎症や病気の進行にも影響を及ぼす。しかし、従来の細胞培養法では肺の動きを再現するのが難しく、実際の組織のように柔らかいハイドロゲルも、薄くすると破れやすいという課題があった。

研究チームは、型をせっけん水から引き上げると薄い膜ができる仕組みを利用した。ハイドロゲル溶液の粘度や表面張力を調整して膜を形成し、紫外線で硬化させることで、柔軟性と耐久性を両立させた。さらに、この膜の上に3Dバイオプリンティング技術を用いて血管細胞層、基底膜層、上皮細胞層を積み重ね、肺胞に似た3層構造を再現した。

研究チームはまた、人の肺が圧力の変化に応じて膨らんだり縮んだりする仕組みを応用した「呼吸駆動システム」も開発した。成人が安静にしているときと同程度の毎分12回のペースで14日間作動させたところ、約24万回にわたって呼吸運動を繰り返しても、超薄膜は安定した状態を保った。さらに、インフルエンザA型ウイルスの感染実験では、呼吸運動の有無によって肺の炎症や抗ウイルス反応が異なることも確認した。

今回の研究成果は、材料科学分野の国際学術誌「アドバンスト・マテリアルズ」に7月30日付で掲載された。

margareth@korea.kr