社会

2020.06.12

200612_Mangwon traditional market

5月26日、緊急災難支援金で買い物する人々で混むソウルのマンウォン市場=聯合ニュース


[イ・ギョンミ]

「新型コロナウイルスのせいで、このまま店がつぶれるのではないかと思いました。でも、緊急災難支援金のおかげで、やっと助かりました」

大邱(テグ)の西門(ソムン)市場で15年間、干物を販売する李真元(イ・ジンウォン)さんは久々に笑った。新型コロナウイルスの感染拡大によって客足が減っていた市場が最近、活気あふれる市場になったからである。

ソウルの通仁(トンイン)市場で餅屋を運営するキム・ヒジャさんは、「普段から欲しかったものや、食べたかったものを、緊急災難支援金を利用して購入しているようだ」と話した。

韓国政府は、新型コロナの危機に対応し、安定した国民生活や低迷している景気の回復に向け、所得や財産に関係なく、全国民に「緊急災難支援金」を支給した。

行政安全部によると、8日0時の時点で、対象となる全世帯(2171万世帯)のうち2160万世帯で支給済みとなり、全体の支給率は99.5%となった。13兆5908億ウォン(約1兆2097億円)が現金・クレジットカード・商品券などの様々な形で支給された。申請から約1カ月で、事実上、全国民が緊急災難支援金を受け取ったと言える。

このように支給された緊急災難支援金の効果はすぐにあらわれた。新型コロナで冷え込んでいた個人消費が回復しはじめ、全国各地の市場や商店に客足が戻るようになったのである。

店の前には「緊急災難支援金使用可能」という紙が貼られ、消費者は思いがけず手に入った余裕資金で買い物に出かけた。

小商工人市場振興公団が5月18日~22日に実施した「5月の小商工人市場景気動向調査」の結果によると、体感景気指数は4月より大幅に上昇した。特に、飲食店や衣料・靴、畜産分野での改善効果が目立つ。

また、行政安全部が10日に発表したクレジットカードで支給された緊急災難支援金の使用を分析した結果によると、緊急災難支援金が支給されて以来、町内の商店街や市場での売り上げが増えたことが分かった。支援金が最も多く使われたところは、飲食店(24.8%)、スーパーマーケットや食料品店(24.2%)、病院・薬局(10.4%)の順だった。

韓国は、似たような政策を打ち出したアメリカや日本などに比べ、支援金の支給・消費が迅速に行われた。

アメリカは、韓国より約1カ月先に、年所得による現金支給を始めた。4月内に支援金支給を完了すると公言したが、4月末までに支援金を受け取れなかった人が、8千万人にのぼった。

日本は、「特別定額給付金」として1人一律10万円を支給している。総務省の12日の発表によると、10日までの特別定額給付金の給付率は35.9%で、約2101万世帯に給付が完了している。

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緊急災難支援金を申請するカード会社アプリケーション=12日、ソウル、チェ・テシュン撮影


両国に比べ、韓国でスピード感ある対応が可能になった背景には、ITインフラの充実と、申請を簡潔に行うための政府の工夫があった。

カード会社のホームページや携帯のアプリで申し込むと、早ければ申請とほぼ同時に支援金を受け取ることができるほどである。

緊急災難支援金に関して、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5月26日に行われた国務会議で、「韓国史上初めて政府が国民に支給する緊急災難支援金が、国民にとって励みになっていることが喜ばしい」とし、「国民が経済回復に向け、支援金を積極的に消費してくれたおかげで消費刺激の効果が現実になっている」と述べた。

km137426@korea.kr