シルムの投げ技を紹介する映像のワンシーン
[キム・ファヤ、キム・ウニョン]
[写真・映像=大韓シルム協会]
最近、韓国で「シルム(韓国伝統の格闘技)」が注目を集めている。
2018年8月に慶尚北道(キョンサンプクト)の金泉(キムチョン)で行われたシルム大会の映像がユーチューブで話題となり、ヒット数230万件(2日基準)を突破した。
シルムは、2018年にユネスコの世界無形文化遺産に登録された。初の「南北共同登録」。三国時代(高句麗、百済、新羅)から風俗絵における素材として用いられた。
試合は、等級(重量別)に分けられ、それぞれ優勝者が決められる。相手のサッパ(紐)を持ち、肩と背が真っ直ぐな状態で組み合い、双方に不利が無いとされる状況から始まる。相手の膝から上を地面につければ勝利となり、55の投げ技(手技・足技・腰技・連続技)が用いられる。
シルムは、1980年代から90年代にかけて、全世代から愛されてきたスポーツだった。しかし、選手たちが力比べに集中し、瞬発力を用いる技術を披露できなくなり、試合が単純化した。その結果、シルムへの関心が徐々に低くなっていき、高齢者のみが楽しむスポーツとなった。だが現在、シルムはSNSを通じて幅広い世代から支持を集めている。
大韓シルム協会は、シルムへの関心を取り戻すために、2011年に選手の体重制限を導入した。2018年には140キロまでに制限し、80~90キロ以下の選手も多くなった。体重の軽い選手が増えるにつれ、派手な技術を披露する選手も多くなり、シルムを楽しむ若者も増えてきた。
相手のサッパを取って、腹の高さまで持ち上げるシルムの投げ技「トゥルペチギ」
その人気に乗り、シルムをテーマにした放送番組も製作され、検索キーワードの上位を占めるほどだ。
大韓シルム協会の李勝三(イ・スンサム)事務庁長は、今後の計画について「外国人も大会に参加できるように、シルムの体重別階級を細部化する」と述べた。