文化

2016.03.17

ヴァイオリニストのキム・スヨン(Suyoen Kim)がベートーヴェンで戻ってきた。

16日に彼女の新アルバム「ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲と2つのロマンス(Beethoven Violin Concerto· 2 Romances)」がリリースされた。

ベートーヴェンが作曲した唯一の「ヴァイオリン協奏曲作品61」は、メンデルスゾーン、ブラームス協奏曲と共に3大ヴァイオリン協奏曲と呼ばれる。1844年にロンドンで当時13歳のヨーゼフ・ヨアヒムが初演して以来、この曲はヴァイオリニストの能力を判断するバロメーター、世界の巨匠たちが必ず演奏するレパートリーになった。1926年にフリッツ・クライスラーが歴史に残る初めてのアルバムを制作して以来 、有数のアーティストたちが挑戦している。

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ヴァイオリニスト、キム・スヨンの新アルバム「ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲と2つのロマンス」(上)。彼女は昨年から日本音楽財団の支援を受けて1702年製のストラディバリウス「Lord Newlands」を弾いている

ヴァイオリニスト、キム・スヨンの新アルバム「ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲と2つのロマンス」(上)。彼女は昨年から日本音楽財団の支援を受けて1702年製のストラディバリウス「Lord Newlands」を弾いている


高難度の作品を次々とアルバムに収録し「年齢を超えた重みのある音楽」との激賞を受けたキム・スヨンは、昨年ソウル市立交響楽団との協演で「ヴァイオリンで出せるすべての音色を聞かせてくれた」とも評価された。キム・スヨンが奏でるヴァイオリンの音色は冴えていて、精巧でありながらも豊かで濃い密度を誇る。その気になればオーケストラを圧倒して余るほどのパワーを爆発させることもできるが、この作品ではむしろ一歩下がって彼女が言うように「大きく、やさしく、温かい音」を出すために全神経を集中させた。ベートーヴェンの人生で最も美しい時期に作曲された唯一のヴァイオリン協奏曲の美学を劇的に表現できる理由もそこにある。

アルメニア出身の指揮者、ルーベン・ガザリアンが率いるドイツの「ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団」もキム・スヨンのヴァイオリンソロをより引き立て、ベートーヴェンの巨大な交響楽的ヴァイオリン協奏曲の完成を助けた。

5歳で初めて弓を持ったキム・スヨンは12歳から20歳までの8年間、ドイツのミュンスター音大学長のヘルゲ・スラーットからヴァイオリンを学んだ。その後、ミュンヘン音大でアナ・チュマチェンコに師事した彼女は、ヨーロッパを舞台に活動している。

コリアネット ウィ・テックァン記者
翻訳:イム・ユジン
写真:ユニバーサルミュージック
whan23@korea.kr