文化

2016.04.01

冬が過ぎると韓国の山や野原は徐々に花の色に染まっていく。
韓国の先祖たちは花が咲き乱れる頃になると、身分に関係なく誰もが花見をしながら春を満喫した。とくに、旧暦の3月3日の上巳にはツツジを使ったファジョン(花煎、季節の花を飾るチヂミ)やファチェ(花菜)を食べながら春の味を楽しんだ。

東国歲時記(1849年朝鮮時代に書かれた、年中行事と風俗を整理・説明した民俗風習書)には「ファジョンは上巳に食べる季節の食べ物」とし、杜鵑花(トゥギョンファ、ツツジの別名)ともち米粉の生地で作る方法が詳しく書かれている。宮殿でも上巳には王が秘苑(ピウォン、昌徳宮の後苑 ソウルの昌徳宮内北東部にある宮苑 )に行き、そこでツツジでチヂミを作り楽しんだ。華やかに着飾った王妃や女官たちも一緒にファジョンを食べて、ツツジの花を摘み花酒を作った。

ツツジのファジョンに良く合う食べ物としては、ツツジのファチェが挙げられる。よく実った五味子を浸しておいた水に蜂蜜を加え、ツツジを浮かべて飲むツツジのファチェは甘酸っぱい味と香り、ツツジの鮮やかな色彩が春の季節によく合う。漢方では、ツツジは老化防止、食欲増進、風邪による頭痛などに効果があるといわれ、民間療法でも使われる。
 
진달래화전은 삼짇날 먹는 대표적인 음식으로 찹쌀의 고소함과 달콤함, 꽃의 모양이 어우러져 눈과 입이 모두 즐겁다. 오미자와 꿀의 새콤달콤한 맛과 화려한 색감이 특징인 진달래화채도 함께 하면 더욱 잘 어울린다. 진달래화채는 소화를 돕고 청량감을 더해준다.

ツツジのファジョンは上巳に食べる代表的な食べ物。もち米の香ばしさと甘味、花の模様が調和を成し、目と口どちらでも楽しめる。五味子と蜂蜜の甘酸っぱさと鮮やかな色合いが特徴のツツジのファチェも一緒に飲めばなおさら良い。ツツジのファチェは消化を促進し、清涼感をもたらしてくれる



<ツツジのファジョン>

** 材料と分量
もち米 5カップ(もち米粉10カップ)
塩 大さじ1
熱湯 1カップ
ツツジの花 20個
蜂蜜(またはシロップ)


** 作り方
1. もち米を研ぎ水につけて12時間ほど置いて後、水を切ってから塩を入れてざるでこす。
2. もち米粉を作り熱湯1カップを加えて練った後、直径5㎝の大きさで丸く薄い生地を作る。
3. ツツジはしべを取り除いて、水できれいに洗ってから水気を取っておく。
4. フライパンに油をひいて生地を押さえつけながら弱火で焼く。ひっくり返して焼けた面にツツジの花を乗せる(もうひっくり返さない)。
5. 出来上がったファジョンは蜂蜜やシロップをかけて食べる。

진달래꽃은 꽃술을 떼고 다듬어 물에 깨끗이 씻는다.

ツツジの花はしべを取り除いて、水できれいに洗う


찹쌀 반죽의 한 면이 익으면 뒤집은 뒤 그 위에 진달래꽃을 모양을 살려 올린다. 이때 약불에서 해야 표면이 매끈하게 나오므로 불조절에 신경써야 한다.

もち米の生地の片面が焼けたらひっくり返し、その上にツツジの花を乗せる。このとき、弱火でないと表面が滑らかにならないため、火加減に注意が必要


진달래화전은 양념한 고기를 먹은 뒤에 먹으면 특히 좋다. 화전의 부드러운 식감이 입안을 깔끔하게 마무리한다.

ツツジのファジョンは、味付けした肉を食べた後のデザートにぴったり。ファジョンの軟らかい食感が口直しになる



<ツツジのファチェ>
** 材料と分量
五味子 1カップ
水 12カップ
蜂蜜 1カップ
シロップ ⅔カップ(水と砂糖1:1の割合で作ったシロップ)
ツツジの花 20個
緑豆でん粉 ⅓カップ
チョウセンマツの実 小さじ1

진달래화채의 주 재료인 진달래꽃, 오미자, 설탕, 잣, 녹두분말

ツツジの主な材料であるツツジの花、砂糖、チョウセンマツの実、緑豆



** 作り方
1. 五味子を煮た後、水につけて12時間ほど置き水がツツジ色に染まったら、目の細かいざるに綿布を敷きその上からこす。
2. ざるでこした水に蜂蜜とシロップを入れて味を調える。蜂蜜がなければ砂糖を使っても良い。
3. ツツジの花はしべを取り除き水に浸しておいてから水気を取り、緑豆でん粉をまぶして湯に素早くくぐらせてから冷水につける。
4. 器に2番の水を7割ほど入れて、ツツジの花とチョウセンマツの実を浮かばせる。

コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
資料:美しい韓国料理100選
協力:韓国伝統飲食研究所
翻訳:イ・ジンヒョン
arete@korea.kr

진달래꽃을 손질하여 깨끗이 씻은 뒤 물기를 제거하고 녹두분말을 묻힌다.

ツツジの花はしべを取り除き、きれいに洗ってから水気を取り緑豆でん粉にまぶす


녹두녹말을 묻힌 진달래꽃은 끓는 물에 1~2초 정도만 넣었다 꺼내어, 찬물에 바로 넣어 냉각시켜야 색이 변하지 않는다.

緑豆でん粉をまぶしたツツジの花は、湯に1~2秒ほど素早くくぐらせ、すぐに冷水に入れることで変色を防ぐことができる


오미자국물을 붓고 그 위에 꽃잎과 잣을 띄워낸 진달래화채.

ツツジとチョウセンマツの実を浮かばせたツツジのファチェ