文化

2016.12.21

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イタリアの貴重な文化財である祈祷文の復元に韓紙が使われた。

祈祷文はカトリック教会の聖人でありイタリアの守護聖人でもある聖フランシスコ(アッシジのフランチェスコ、1182~1226)が1224年に自筆で祈祷文を記した羊皮紙。韓紙はカルトゥーラ下段の傷んだ部分を補強して原形を保つのに使われた。

성 프란체스코가 1224년 자필로 쓴 기도문 카르툴라가 한지로 복원돼 지난 15일 로마 도서병리학연구소에서 공개되었다.

聖フランシスコが1224年に自筆で書いた祈祷文が韓紙で復元され今月15日にローマ図書病理学研究所で公開された





ヨーロッパで権威ある文化財復元専門機関のイタリア図書病理学研究所(ICRCPAL)が祈祷文を含め韓紙を用いて復元した自国の重要文化財5点を15日に公開し、韓紙の文化財復元力を認めた。

祈祷文の他に韓紙で復元されたイタリアの文化財は『ロッサーノ朗読福音書』とサルデーニャ島の一族の紋章集、ローマカサナテンセ図書館が収蔵する「音楽本243」、そして17世紀のイタリアの画家ピエトロ・ダ・コルトーナの作品。

図書病理学研究所は成分検査や酸性度測定などを含めた生物学的・物理化学的・技術的検査により韓紙の文化財復元材料としての適合性を認めた。全検査に合格した韓紙は慶尚南道(キョンサンナムド)・宜寧郡(ウィリョンぐん)のシン・ヒョンセ名人の伝統韓紙工房で製作された「ウィリョンシン・ヒョンセ伝統韓紙1」と「ウィリョンシン・ヒョンセ伝統韓紙2」の2種類。韓紙が海外の公認機関で文化財復元材料として認定された初の事例に当たる。

신현세 한지 장인(왼쪽)과 마리아 레티지아 세바스티아니(Maria Letizia Sebastiani) 도서병리학연구소장이 복원된 카르툴라 앞에서 기념촬영을 하고 있다.

シン・ヒョンセ韓紙名人(左)と図書病理学研究所のマリア・レテジア・セバスティアニーニ所長が復元された祈祷文の前で記念撮影を行っている





ヨーロッパで最も多く文化財を保有するイタリアが韓紙を認定し重要文化財の復元に使用しただけでなく、今後認証事実が世界各国の関連機関で共有されれば世界の復元機関における韓紙の使用が拡大されるものと思われる。

15日にローマ図書病理学研究所で認証書授与式が行われた。国立文化財研究所のチェ・メンシク所長(左から2番目)、図書病理学研究所のマリア・レテジア・セバスティアーニ所長(左から4番目)、シン・ヒョンセ名人(右から6番目)が記念撮影を行っている

15日にローマ図書病理学研究所で認証書授与式が行われた。国立文化財研究所のチェ・メンシク所長(左から2番目)、図書病理学研究所のマリア・レテジア・セバスティアーニ所長(左から4番目)、シン・ヒョンセ名人(右から6番目)が記念撮影を行っている






文化財庁の関係者は「今回の韓紙認証獲得を基に今後ヨーロッパで文化財復元における韓紙の優秀さを地道に発信していく予定。さらに多様な種類の韓紙について追加の認定を受けるために努力したい。復元分野だけでなく美術分野でも様々な形で韓紙が活用されるよう引き続き裾野を広げていくつもり」と明かした。

コリアネット キム・ヨンシン記者
写真:文化財庁、宜寧郡
翻訳:イ・スミン
ysk1111@korea.kr