文化

2016.12.30

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飯粒を浮かべ冷たく冷やして飲むシッケは広く親しまれる伝統飲料の1つ。
シッケは搾り麦汁にご飯を発効させ甘みを出したもので、本来は冬の飲み物とされたが今では季節を問わず愛されている。タンスルやカムジュ(ともに甘酒の意)とも呼ばれるが、飯粒を浮かべて飲むとシッケ、飯粒なしで汁だけを飲むとカムジュという。

飯粒を浮かべ冷たく冷やして飲むシッケは広く知られている伝統飲料の1つ。麦芽はシッケ独特の甘みを引き出す重要な役割をする主材料である

飯粒を浮かべ冷たく冷やして飲むシッケは広く知られている伝統飲料の1つ。麦芽はシッケ独特の甘みを引き出す重要な役割をする主材料である





先祖たちは伝統的に祝日など油ものをたくさん食べたとき、シッケを飲んで食もたれを解消し消化を助けた。韓食財団の説明によると麦芽には糖化酵素のアミラーゼが多く含まれ、食後の消化を助ける働きがあるという。またアミラーゼから生成されるマルトースはシッケ独特の甘みを引き出す。シッケの甘さは砂糖のように強烈で一瞬で終わるものではなく、ほのかでコクのある味わいがする。

シッケと一緒に楽しめる甘いデザートとしては梅雀菓(メジャッカ)がある。梅雀菓は小麦粉にハチミツと油を入れた生地の形を整え焼いてからシロップをかけた韓菓。「梅雀菓」とは雀が梅の木に座っている形に似ていることから付けられた名前で、「タレ菓」とも呼ばれる。梅雀菓は黄色・桃色・緑色と色をつけることもできるため見栄えも良い。それぞれの色はクチナシ・イチゴ・ヨモギで作った粉を入れて出す。

韓菓の一種の梅雀菓は小麦粉とハチミツ、油を入れた生地を揚げてからシロップをつけたもの。クチナシ・イチゴ・ヨモギの粉を入れると多様な色をつけることができる

韓菓の一種の梅雀菓は小麦粉とハチミツ、油を入れた生地を揚げてからシロップをつけたもの。クチナシ・イチゴ・ヨモギの粉を入れると多様な色をつけることができる





<シッケ>

**材料と分量

麦芽粉 115g(1カップ)、ぬるま湯(40℃) 2.4kg(12カップ)
うるち米 360g(2カップ)、水 480g(2⅓カップ)
砂糖 160g(1カップ)
松の実 10g(大さじ 1)

麦芽粉とぬるま湯を混ぜ30分ほどふやかす

麦芽粉とぬるま湯を混ぜ30分ほどふやかす





**材料の下準備
1. 麦芽粉とぬるま湯を混ぜ30分ほどふやかす。
2. ふやかした麦芽は手で揉んでこした後、かすは水気を搾って捨て麦汁は白い成分を沈殿させる。
その後透明な上澄み部分だけをとって搾り麦汁を用意する。
3. うるち米を研ぎ30分ほど浸水させてから、ざるにあげて10分ほど水気を切る。
4. 松の実は胚芽をとり綿布で拭く。

炊飯器にご飯と麦芽の水、砂糖を入れて3~4時間程度保温させる

炊飯器にご飯と麦芽の水、砂糖を入れて3~4時間程度保温する





**作り方
1. 鍋にうるち米と水をかけて、強火で加熱して沸騰したらさらに4分間火を通す。その後中火に弱めて3分程度かけ、米が炊けたら弱火にして10分ほど蒸らす。
2. 炊飯器(60~65℃)にご飯と麦芽の水、砂糖を入れ、3~4時間程度保温する。
3. 飯粒が7~8個ほど浮かび上がってきたらざるにあげて飯粒をすくい、汁はとっておく。
4. 飯粒は甘みが抜けるように水で洗い、シッケ汁は強火で5分ほど加熱してアワはとる。
5. シッケ汁は冷やしてお椀に盛り、飯粒と松の実を浮かべる。

<梅雀菓>

**材料
白い生地 : 小麦粉 70g、塩 0.5g、ショウガの搾り汁 30g
桃色の生地: 小麦粉 25g、塩 0.2g、イチゴの粉 1g(小さじ ¼)、ショウガの搾り汁 15g
緑色の生地: 小麦粉 25g、塩 0.2g、ヨモギの粉 1g(小さじ ½)、ショウガの搾り汁 15g
黄色の生地: 小麦粉 25g、塩 0.2g、クチナシの搾り汁 2g(クチナシ 2g+水 30g)、ショウガの搾り汁 10g
サラダ油 1㎏(5カップ)
シロップ: 砂糖 80g(½カップ)、水 100g(½カップ)
松の実の粉 6g(大さじ 1)

梅雀菓の主材料として使われる小麦粉、ヨモギ粉・クチナシ水・イチゴ水

梅雀菓の主材料として使われる小麦粉、ヨモギ粉・クチナシ水・イチゴ水





**材料の下準備
1. それぞれの小麦粉に塩を混ぜて目の細かいふるいにかける。
2. 白い生地の小麦粉にショウガの搾り汁を入れてこね、残りの小麦粉にはそれぞれイチゴ水、ヨモギの粉、クチナシの搾り汁を入れてよく混ぜてからショウガの搾り汁をかけてこねる。
3. それぞれの生地を綿布で包んで20分ほど寝かせる。
4. 白い生地は3等分にして麺棒で厚さ0.2cm程度に伸ばし、三色生地も同じ厚さに整える。白い生地に色のついた生地を付け合せてから厚さが0.2cm程度になるようにもう一度伸ばす。
5. 伸ばした生地は縦4㎝・横2cm程度に切り、真ん中に長さ2㎝程度の切れ目を入れる。その切れ目の左右にもう一度長さ1㎝程度の切れ目を入れてから、中央の切れ目の間に生地の片端を入れてひっくり返す。

白い生地にイチゴ水、ヨモギの粉、クチナシの搾り汁をそれぞれ混ぜて黄色、桃色、緑色の生地にする。それぞれ四角に切ってから切れ目を入れて形を作る

白い生地にイチゴ水、ヨモギの粉、クチナシの搾り汁をそれぞれ混ぜて黄色、桃色、緑色の生地にする。それぞれ四角に切ってから切れ目を入れて形を作る





**作り方
1. 鍋に砂糖と水を入れて弱火で15分ほど加熱、シロップにして冷やす。
2. フライパンに油をひき中火で余熱して130℃になったら、作っておいた梅雀菓の生地を入れて、2分ほど経ったらひっくり返してさらに2分ほど揚げた後、ざるにあげて油をきる。
3. 揚げた梅雀菓をシロップに入れて甘みを付けた後、皿に盛り付け松の実の粉をまぶす。

揚げた梅雀菓をシロップに入れ甘みをつけてから皿に盛り付け松の実の粉をまぶす

揚げた梅雀菓をシロップに入れ甘みをつけてから皿に盛り付け松の実の粉をまぶす





編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100 選
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr