名誉記者団

2019.09.20

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[全州=登久美子(日本)]

甘いきな粉と蕎麦がこんなに合うなんて!
蕎麦の出汁と言えばよくあるのは塩気の強い出汁ですが、全羅道では甘い出汁が有名だそうです。

全州市行きのKTX=登久美子撮影

全州市行きのKTX=登久美子撮影



私は8月13日、全羅北道中部にある都市、全州市に行ってきました。ソウルからはKTXで2時間弱ほどの距離です。この日はかなり暑かったこともあり、全州でコングクスを食べることにしました。

冷たい豆乳のスープに素麺を入れて食べる韓国料理「コングクス」=アイクリックアート

冷たい豆乳のスープに素麺を入れて食べる韓国料理「コングクス」=アイクリックアート



コングクスは冷たい豆乳のスープに素麺を入れて食べる韓国料理です。今まで食べたコングクスは、千切りのキュウリや黒ごまなどをトッピングし、塩や砂糖で味付けしたスタイルでした。

しかし今回はかなり違いました。コングクスとは違う料理かと思うくらいです。予想の遙か上を行くコングクスに出会いました。

お邪魔したお店は、クマムソバ(금암소바)。全州市外バスターミナルの近くにあります。この日は平日の13時くらいだったのですが、Yシャツの袖まくりをしたサラリーマンでいっぱい。大人気店のようで、期待が高まります。

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メニュー=登久美子撮影



メニューは蕎麦、コングクス、水冷麺などありますが、見渡すと殆どのお客さんがコングクスを注文していたのでコングクスの普通サイズ(7,000ウォン)に決定。

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全羅道名物の甘いそば=登久美子撮影



注文をしてから待つこと5分。コングクスが来ました。この見た目のインパクト。

とろみのある冷たい豆乳のスープに真っ黒い蕎麦の麺。蕎麦はもずくのように丸く太く、かなり弾力があります。麺はかなり長いので、添えられていたはさみで4カ所ほど切りました。

そして何と言ってもこのスープ、味わったとき真っ先に思ったのは「ピーナッツバター?」でした。ピーナッツバターのような甘い味が口の中に広がり、食事なのだけどデザートのような、不思議な感覚になりました。

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全羅道名物の甘いそば=登久美子撮影



豆乳スープの表面には甘さ、器の底の方に豆の濃い粉っぽさがあることに気づき、かき混ぜてみました。そうすると味も甘さもいい塩梅。混ぜつつさらに夢中になっていただきます。

甘味と塩気は両方あるものの塩気はやや薄いので、スープを口にする度にキムチも口にすると塩気もちょうど良く、辛さで全体が締まった感じに。コングクス、キムチ、コングクス、キムチ、たまにたくあん。箸が止まりません。

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自分で適量を盛ることができるおかず=登久美子撮影



おかずのキムチやたくあんはもちろんおかわり自由。セルフサービスなので自分で適量を盛ることができます。

お店は13時を回っても地元のお客さんでいっぱい。観光客は私だけのようです。厨房の中にいる3人のお母さん達も忙しそう。

あっという間にスープまで飲み干し、コングクス、完食。美味しかったです。

今まで当たり前だと思っていた味付けは、地域によって当たり前じゃないこともある、それを改めて実感したコングクスでした。初めて口にすると頭が真っ白になるくらいびっくりしますが、歴史と食文化の街である全州を訪れたら、ぜひ全羅道のコングクスを味わっていただきたいです。

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr