[釜山=登久美子(日本)]
[写真=登久美子]
釜山広域市の地下鉄チャガルチ駅を北に歩くと、国際市場があります。
国際市場は2014年に大ヒットした映画、「国際市場で逢いましょう」の舞台となる市場。そんな国際市場に夕食を食べに来ました。狙いは、迷路のような市場の一角にある、チキン通りのチキンとビール。よく韓国の方はチキン(치킨)とビール(맥주)のそれぞれ頭文字を取ってチメッ(치맥)と言いますが、私もチメッをしたかったんです。
しばらく歩いて一通りチキン通りを見た後、通りの中でもひときわ活気のあったこちらのお店に決定。
入り口では男性2人が鶏を忙しそうに揚げています。外は寒さもあるせいか揚げている鍋の上には蒸気が勢いよく広がっています。まるで活火山。
メニューを見ると、定番メニューはフライドチキン。骨付きチキンをサクサクに揚げています。そのフライドチキンに甘辛く八角の香りも入れたヤンニョムチキンも捨てがたいし、カンプンチキンも初耳メニューなので気になる。カンプンチキンのカンプン(乾烹)は「からりと揚げる」という意味なのですが、メニューの写真を見る限りは長ネギが絡めてあって彩りもきれい。
店員の男性に「カンプンチキンは何ですか?」と尋ねたところ、説明に困ったのか、少しの沈黙の後「美味しいですっ!(笑顔)」。
ということで、ヤンニョムチキンとカンプンチキンの半々メニューにしました。(どちらかというと男性の笑顔が決め手)
待っている間にビールを注文。ビールは自分で冷蔵庫まで取りに行き、精算するときに瓶の本数を数えるシステム。日本では自分で飲み物をコップに注ぐセルフサービスはあっても、瓶を取りに行って後で精算するというシステムはなかなかないのでびっくりしました。このおおらかなシステム大好きです。
そして大根の甘酢漬けをアテにビールを飲みながら待つこと5分。チキンが来ました!
凄いボリュームで、どこから写真を撮っても絵になります。
ヤンニョムチキンは鶏の唐揚げに甘辛いヤンニョムだれが絡まっています。このお店は八角の香りが強かったので、中華料理のような雰囲気もありました。甘辛いタレをビールのシュワッで流し落とす感覚がたまりません。
また、今回初挑戦のカンプンチキンは、ピリ辛の醤油だれに長ネギやタマネギが絡まっていて、油淋鶏のようでした。長ネギがアクセントになって飽きずに食べられます。店員の男性が言う通り、本当美味しい。ご飯のおかずにしても合いそうです。
結局チキンは全部食べきれず、パックに詰めてお土産にして持って帰りました。
この日は冷たい雨が降っていましたが、熱くて美味しいチキンを食べてお店を出る頃には体はポカポカに。カンプンチキンはピリ辛でしたが、そのほかのメニューは比較的辛くないので、お子さんでも安心して食べられそうです。
フライドチキンはアメリカ発祥と言われますが、韓国のフライドチキンはもはや唯一無二の韓国料理ではないでしょうか。このチキンを囲めば、どんなに難しい話をしていてもきっと笑顔になること間違いなし。
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
eykim86@korea.kr