握手を交わすドナルド・トランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=30日、板門店、ホワイトハウス
[イ・ハナ、キム・ウニョン]
ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が30日、韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯(DMZ)で「歴史的な会談」を行った。
米朝首脳は、板門店の韓国側施設「自由の家」で、事実上の3回目の米朝首脳会談を53分間行った。トランプ米大統領が29日、自身のツイッターで「G20が終わったら(文大統領と)韓国に向かう」とし、金委員長に向けて「DMZで握手を交わしたい」と面会を呼びかけた。北朝鮮側は、談話で「非常に興味部会提案だ」と応じることで、約32時間以内に会談が行われた。
板門店の韓国側施設「自由の家」へ向かう南北米の3カ国の首脳=30日、板門店、聨合ニュース
トランプ米大統領は、軍事境界線を越えて北朝鮮側に足を踏み入れた。その後、米朝首脳は、板門店の韓国側施設「自由の家」へ向かった。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が合流し、南北米の3カ国の首脳は、約3分間立ち話をした。3カ国の首脳が同時に対話をするのは初めて。続けて、米朝首脳が会談を行った。
一方、文大統領は、韓米首脳会談の後、記者会見を開き「今日は米朝対話に集中し、南北間の対話はその後にする」と語り、それが現実となった。
金委員長は「分断の象徴であるこの場で、長く敵対的関係だった二つの国が平和の握手をすること自体が昨日と違う今日を表現する」とし、「今後、どんな困難な問題や障害があろうとも、大統領と築いたすばらしい関係が、問題をのりこえる神秘的な力になると確信している」と述べた。
トランプ米大統領は会談後、「マイク・ポンペオ国務長官主導の下、実務チームを構成し、非核化を巡る米朝交渉を進める」との考えを示した。
続けて、「今日の進展をみてから次の首脳会談に向けてどうするかを考えよう」とし、「この面会が非核化に向けた協議の前進につながるのか注目される」と付け加えた。
今回の板門店会談は、物別れに終わった2月のハノイでの米朝会談以降の不信と対立の解消につながり、膠着状態に陥っていた非核化を巡る米朝交渉の進展に弾みがつくと予想される。
hlee10@korea.kr