科学技術

2020.03.05

先月4日から緊急使用承認を得た新型コロナウイルスの検査キット=聯合ニュース

先月4日から緊急使用承認を得た新型コロナウイルスの検査キット=聯合ニュース



[チョン・ジュリ、イ・ギョンミ]

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。これに素早く対応する韓国の技術力が注目を集めている。


韓国の疾病管理本部は1月31日、「リアルタイムPCR(RT-PCR)」法を開発し、全国に導入した。疾病管理本部が検査法の開発に着手すると発表してから、わずか18日で完成したのだ。従来の検査法では、約24時間かけて2段階に分けて行っていたが、RT-PCR法は、6時間以内で検査が済む。

RT-PCR法は先月7日から全国の約50カ所で使われている。韓国内の民間企業も、この検査法に基づいて、検査キットの開発に拍車をかけている。

このように迅速な対応ができた背景には、新たな感染症の出現に備え、2017年に導入された「緊急使用承認制度」がある。緊急使用承認制度とは、国内に許可が出た製品がないか足りない場合、疾病管理本部が要請した試薬を、食品医薬品安全処が速やかな手続きで一時承認する制度。一般的に、診断試薬の承認に約1年がかかることを踏まえ、疾病管理本部と食薬医薬品安全処は2月4日、第一番目の診断試薬製品の緊急使用を承認した。

疾病管理本部によると、同制度を利用して現場で使われている診断試薬は、4日の時点で4社の製品。毎週1万個以上を医療機関に供給されている。他にも、30あまりのメーカーが製品開発を終えて緊急使用の承認を待っている。

保健当局は、迅速な検査を通じて積極的に患者を見つけることで、感染を防ぐことに焦点を合わせている。中央防疫対策本部のクォン・ジュンウク副本部長は1日、定例の記者会見で「米国などの保健当局は、感染症の被害を最小限に抑えられる方法は、症例を早く発見して、感染の原因をなくすことに左右されるとしている」とし、「1件の症例でも迅速に発見することが、国民の健康を守り、感染拡大の可能性を少しでも防げる方法」と強調した。

etoilejr@korea.kr