社会

2016.11.08

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「韓半島の統一が10年内に訪れることを願う。韓国が『ヒーロー』になろうとするのではなく、周辺国の協力を得るための実利に集中する長期戦略が急がれる」

ポーランドのレフ・ヴァウェンサ元大統領が、2日にソウルの大韓民国歴史博物館で「自由と統合の未来:中欧と韓半島」をテーマに開催された国際学術フォーラムでこう話した。

ヴァウェンサ元大統領がソウルの大韓民国歴史博物館で開催された国際学術フォーラムで「自由と平和に向けた偉大なる歩み」をテーマに基調演説を行っている=2日

ヴァウェンサ元大統領がソウルの大韓民国歴史博物館で開催された国際学術フォーラムで「自由と平和に向けた偉大なる歩み」をテーマに基調演説を行っている=2日



ヴァウェンサ元大統領(右)が国際学術フォーラムで大韓民国歴史博物館のキム・ヨンジク館長とテーマ「自由と統合の未来:中州と韓半島」について意見を交わしている

ヴァウェンサ元大統領(右)が国際学術フォーラムで大韓民国歴史博物館のキム・ヨンジク館長とテーマ「自由と統合の未来:中州と韓半島」について意見を交わしている



ヴァウェンサ元大統領はこの学術フォーラムに出席するため1日に韓国を訪問した。2003年の訪韓以来13年ぶりのことである。訪韓の理由について彼は「韓半島の平和と繁栄のために本当に重要なものとは何なのか伝えたかった」と述べた。

学術フォーラムは社会主義の崩壊と民主化を経験した中欧諸国のポーランド・チェコ・ハンガリー・スロバキアの現代史に注目し、韓半島統一に向けたヒントを得るために開催されたもの。

この場でヴァウェンサ元大統領は「国境をなくして国家同士が協力できる体制を作り、解決策を見つけるのが我々世代の役割。どのようなテーマで協力し、どのような構造を作り出せばいいのかについて考えなければならない」とアドバイスした。

また現代社会で社会の構成員たちが連帯するには「技術の活用」と「真の信頼」が重要だと強調した。
彼は「モバイルなどの技術発展により世の中が変わった。このような技術力を活かせばより多くの人が連帯する動力を作ることができる。これまでの経験からすると、連帯においては互いの価値観を共有することが非常に重要である。相手に対する信頼がなければ活動に限界が生じ葛藤を招くことになる」と話した。

ヴァウェンサ元大統領(最前列の左から6番目)が3日にソウル大学で特別講演を行ってから学生たちと記念撮影をしている

ヴァウェンサ元大統領(最前列の左から6番目)が3日にソウル大学で特別講演を行ってから学生たちと記念撮影をしている



上記のメッセージは翌日の3日、ソウル大学の文化館で開かれた「連帯と平和」をテーマにした特別講演でも強調された。

ヴァウェンサ元大統領は「韓半島が統一できると信じなければならず、連帯からその解決策を探る必要がある。韓国独自の努力も重要だが、世界各国も支援することができることをいつも覚えておくべきだ」と話した。最後に「13年前の2003年に訪韓して、次回韓国に来たときは韓半島が統一されているだろうと考えていた。私が生きている間、韓半島が統一されぜひもう一度韓国を訪れたい」と期待を示した。

自動車工場の機械工を経て造船所の電気技師として働いたヴァウェンサ元大統領は、東西冷戦の真っ只中の1980年代に東欧初の合法的な労働組合「独立自主管理労働組合:連帯」を創設した。当時、社会主義体制のポーランドで民主主義の労働運動を率いた彼は、ポーランドはもちろん東欧全体における民主化の土台を築いた人物として評価されている。その業績が認められ1983年にノーベル平和賞を受賞した彼は1990年にポーランド大統領に当選し、任期を終えた後は国際平和運動を展開している。

コリアネット ソン・ジエ記者
写真:大韓民国歴史博物館、聯合ニュース
翻訳:イム・ユジン
jiae5853@korea.kr