投票を行った後、笑う中国人の林春麗氏=13日、京畿道・安山
[安山=イ・ギョンミ]
「人生初めての投票なのでドキドキしました。外国人の私の意見が政策に反映されるなんて、うれしいです」
「第7回全国同時地方選挙(統一地方選)」が行われた13日、京畿道(キョンギド)の安山(アンサン)市に設けられた投票所で投票を終えた中国人の林春麗氏はこう語った。
京畿道は、今年の地方選挙に参加できる外国人の数が全国で最も多いところだ。
韓国生活12年目の林氏は「中国では投票することができない。韓国に来て、投票は初めてで、すごく緊張した」とし、「投票用紙が1枚ではなかっので、すごく紛らわしかった。慎重に記入した」と話した。
また「私が選んだ人が当選して、もっと暮らしやすいところにしてもらいたい」と期待感を示した。
投票日を待ちに待ったというウズベキスタンのバン・アァ氏は、「多文化家庭子ども向けの教育政策に興味がある」とし、選挙運動の時から選びたい人を決めておいたと話した。
彼女は「韓国人と結婚して15年間韓国に住んでいるが、投票は初めて」とし、「選挙運動の時、候補者は外国人をあんまり気にしないようだった。外国人ではあるが、私もちゃんとした有権者」と強調した。
ある市議員に立候補する候補者が外国人有権者のために掲げた中国語の懸垂幕=13日、京畿道・安山
安山多文化街で食堂を運営する中国人の尹京洙氏は、「今日は店を閉めてここに来た。事前投票といういい制度があることが分かってれば、今日の食堂運営に支障はなかったはず」とし、「でも投票を諦めてはいけないと思った」と話した。
事前投票制度は、選挙期日に投票のできない有権者が、決められた日に申請なしで選挙期日と同じく投票を行うことができる。今年の地方選挙では、8日と9日に行われた。
公職選挙法によると、韓国国籍のない外国人であっても永住権取得から3年が経ち、地方自治体に登録されている19歳以上であれば、地方選挙限定で投票ができる。外国人が地方選挙で投票を行うことになったのは2005年の法改正以来のことで、2006年の第4回地方選挙から実施された。外国人に地方選挙の選挙権を与える国は韓国が唯一。
帰化で韓国人になった外国人の場合、大統領選や国会議員を選べる選挙など、あらゆる投票で投票することが可能だ。
アラビア伝統衣装を着て投票所を訪れたカーン・ジュベール氏は韓国生活25年目。パキスタンから韓国へと帰化してから15年になったという。大統領選挙にも4回も参加したという彼は「今回は安全に重点をおいて選んだ」と話した。また、「パキスタンは治安が悪い。特に、選挙の時期になるとさらに危ない」とし、「韓国は自由で安全に自分の意見を言えていいと思う」と話した。
韓国語の流暢なカーン氏は「選挙に関する資料集の中に、英語では簡単な説明しか入ってなかった」とし、「韓国語で話すことはできても、ハングルを読んでその内容を把握することはできない外国人が多い。英語の詳しい資料も提供してほしい」と話した。
韓国では外国人も地方選挙に参加することが可能で、帰化で韓国国籍を取得する場合は大統領選や国会議員選挙など、全ての選挙に参加することができる。このような政策は施行から10年以上経ったが、一部からは改善を求める声があることも事実だ。これは国際化時代において望ましい試みといえる。民主主義の基本的人権の一つである参政権の保障との面から他国も導入を考えてもいいだろう。
第7回全国同時地方選挙の事前投票所で投票する人たち=9日、ソウル駅
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