名誉記者団

2019.08.06

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採れたての梅の実

採れたての梅の実



[登久美子(日本)]
[写真=登久美子]

想像するだけですぐに味がよみがえって味覚が刺激されるもの。日本人の私にとって、それは何と言っても梅干しです。

日本では年中、そしてどこにでも梅に関する食料品が売られています。梅干し、梅酒、梅味のお菓子、などなど。梅干しは赤くてすっぱくて塩気の強い保存食、1千年ほど前から食べられていると文献にありますし、お酒に関する法律「酒税法」では各家庭での酒造りを制限しているものの、梅酒をはじめとする「果実酒造り」は例外的に一定の条件下で認められています。それだけ梅は日本の食文化を代表する食材の一つとして愛されてきました。

韓国のメシル(梅の実)チャンアチ(漬物)

韓国のメシル(梅の実)チャンアチ(漬物)



そんな梅の実、韓国でも愛されている食材だと初めて知りました。「メシルチャンアッチ」と呼ばれる料理があり、韓国でも初夏によく食べられるとか。メシルチャンアッチは種を抜いた青梅を砂糖に漬けた後、醤油で味付けをしたりコチュジャンで和える料理。この、青梅の種を抜く、というところがポイントだそうです。青梅なので歯ごたえは梨のようにシャリシャリと爽やかで、種がないので食べやすい。

一方日本では梅の実を調理する前に種を抜く、という作業をしないのでとても驚きました。そして梅の実の食べ方は基本的に梅干しです。いったん梅干しにしてからその梅干をおにぎりにし入れたり、煮物などの調味料として使ったり、または防腐剤としてお弁当に入れたりします。また、甲類焼酎に梅干しを入れると味がまろやかに飲みやすくなります。梅の味と言えばどんな味?と訊かれたら、日本人のほとんどは「酸っぱい」と答えるでしょう。

そして日本と韓国の梅の実にまつわるもう一つの違い。それはお菓子の味です。それぞれの国のスーパーをはじめ駄菓子店に並んでいるお菓子の数々を見てみると、お菓子の味に違いがあることがわかります。それは、やはり日本は梅味が多いということ。梅味の飴、梅味のガム、梅味の煎餅、そして極め付きは乾燥させた梅そのものもあります。梅味、と言っても正確には梅干し味ですが、子供がよく口にするお菓子でこれだけ酸っぱい味が多いのも不思議な気がします。

スーパーのお菓子コーナーに並んでいる梅味のお菓子

スーパーのお菓子コーナーに並んでいる梅味のお菓子



スーパーに行くと、お菓子コーナーには梅味のお菓子が所狭しと並んでいます。梅味のお菓子は食べた瞬間に顔をしかめてしまうほど酸っぱい味なのですが、酸っぱさが広がった後にその酸っぱさに耐えたご褒美のように甘さやコクが口の中に広がります。二つの両極端な世界に大人も子供もハマります。この一度食べたらハマる梅味の魅力は説明が難しいので、「とりあえず食べてみて」としか言えません。

梅マッコリ

梅マッコリ



また、私が住む茨城県では毎年春に「梅酒祭り」というお祭りがあります。日本の三名園の一つ、水戸偕楽園では梅の花が有名なことから、その梅の花にちなんで梅酒祭りが開催されます。この梅酒祭りは、参加費を払うと制限時間内に日本各地の梅酒が飲み放題になるイベントなのですが、そのイベントの中でも人気の梅酒があります。それは、「梅マッコリ」。日本の梅味と韓国のマッコリが出会った人気商品です。

色はほんのりとピンク色で、梅の酸味とマッコリの柔らかさが見事に調和しています。色が可愛らしいピンク色で梅の爽やかな香りもあるので、女性にも大人気だとか。

食べ方の違いはあっても、梅の実は各国ならではの食卓を彩る万能食材。暑い季節、脱水症状の防止に、そして夏バテによる食欲不振に栄養分たっぷりの梅の実を食べたいです。そしてもし韓国に行ったならメシルチャンアッチを食べて、初夏の瑞々しい歯ごたえを堪能してみたいです。

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr