韓国人は、パーティーが大好きだ。トルジャンチ（１歳の誕生日を祝うパーティー）、誕生日パーティーから、新規開店パーティーに至るまで、お祝いの文化が深く根付いている。祝賀客たちは、お金が入った封筒やプレゼントを手にお祝いの言葉を伝える。パーティーを主催した側も、招待客にお礼の贈り物を渡す。そのお返しの贈り物として最も人気のあるのがタオルだ。そんなタオルの中でも、「松月タオル」は最も長い伝統を誇る。


松月タオルは、上質な肌触りと材質が評価され、過去70年間、韓国を代表する高級タオルとして認められてきた。特に、主力製品である「エコタオル」は、様々な汚染物質に晒された現代人に愛されている製品だ。人工染色と漂白を全くせず、精錬の過程で環境に優しい酵素を使っているため、綿が持つ固有の温もりを感じることができ、アレルギーや病気を引き起こす有害物質が全く検出されないのが特長だ。赤ちゃんや肌が敏感な人が多く使っている。こうした努力が認められ、松月タオルは韓国環境省によるエコマークを取得したほか、韓国で最初に欧州の環境認証マーク（Oeco-Tex100）を獲得した。

松月タオルの歴史は約70年前に遡る。釜山（プサン）東区（トング）凡川洞（ポムチョンドン）で、20代の若い兄弟が自宅で靴下を染めたのが始まりだ。その主人公であるパク・トンス先代会長と彼の弟は、1949年に木織機5台を購入し、本格的なタオル製造ビジネスを始めた。朝鮮戦争などを経て深刻な貧困と物資不足に苦しんでいた当時も、生活必需品だったタオルは着実に売れた。その後、1966年に釜山市東莱区（トンレグ）巨堤洞（コジェドン）に大規模な工場を新築し、韓国最大のタオルメーカーに成長した。1986年には自動化システムを整備してプロセスの効率化を達成、これをもとに、1992年には中国・青島に工場を設立して活動の舞台を広げ始め、2009年にはベトナム・ホーチミンにも現地法人を設立した。2005年に慶尚南道（キョンサンナムド）梁山(ヤンサン)市に本社を移した松月タオルは、現在30％以上の国内市場シェアを確保している。




松月タオルは、個人の顧客から記念品用の製品を求める団体まで、顧客層は様々。それだけに流通チャンネルも多岐に渡っている。高級サービスを提供するホテルやサウナ、デパートはもちろんのこと、大型ディスカウントストアなど全国170以上のお店で販売されており、海外では青島店を中心に販売網を拡大している。

*松月の公式ホームページ: http://eng.songwol.co.kr

記事：コリアネット　イ・スンア記者
写真：コリアネット　チョン・ハン記者
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