韓国の登山道と国立公園は、週末はもとより、平日も多くの登山客でにぎわっている。登山客の多くは、登山ウェアと装備を完璧に備えて山登りにやってくる。また、登山道の周辺には、アウトドア用品のショップがずらっと立ち並んでいる。韓国でよく見られる特異な風景だ。
こうしたトレンドを追い風に、このところ韓国のアウトドア市場は爆発的な成長を見せている。5年前はわずか1兆ウォン規模だったアウトドア市場が、2014年には7兆ウォンを超えそうな勢いだ。アウトドア用品メーカーの多くは、昨年2桁の成長率を記録した。アウトドア用品各社は、それぞれ防水や防風、防寒性といった機能性を備えているだけでなく、軽量かつコンパクトで洗練されたデザインの登山服や装備などを市場に出している。登山服は、登山用だけでなく、普段着のファッションアイテムとしても脚光を浴びている。
そのメーカーの一つがコオロンスポーツだ。同社は昨年、6800億ウォンの売上を上げ、海外でも人気上昇中だ。2006年に中国北京の燕莎百貨店に中国1号店を出店して以来、中国内の店舗数は昨年末時点で150店舗にまで増えた。コオロンの中国での2013年の売上は、前年比150%増の500億ウォンだった。
コオロンスポーツの関係者は、「このところ山登りだけでなく、多様なアウトドア活動への消費者の関心と需要が高まっている。旅行やバイク、ウォーキングなど多様なライフスタイルを反映したラインと日常でも履きこなせる製品を同時に売り出している」と話す。
韓国のアウトドア文化は、今や山登りだけではなく、家族連れでのキャンプなどにも広がっている。キャンプ用品やキャンプ場、キャンピングカー、公演とキャンプを同時に楽しめるイベントなども増えている。キャンプ愛好家の増加により、アウトドア文化が家族連れで楽しむ文化として定着し、キャンプ用品市場も急成長している。2009年には1千億ウォン規模だったキャンプ用品市場の規模は、2013年には5千億ウォンを超えた。また、家族連れでキャンプを楽しむキャンプ愛好家の増加に伴い、子ども向けのアウトドア用品市場も成長している。
また、自転車ツーリングやロッククライミングなど体力が求められるレジャー活動に関心を持つ人々も増えている。これを受け、アウトドア用品各社は、機能性と実用性、洗練されたデザインを兼ね備えた製品を市場に出し、消費者の多様な関心とニーズに応えようと取り組んでいる。