文化

2016.06.27

正祖時代に描かれた初期の冊架図屏風

正祖時代に描かれた初期の冊架図屏風



朝鮮第22代王の正祖(チョンジョ、1752~1800、在位1776~1800)は1791年、王座の後ろに「冊架図」屏風を立てた。本、陶磁器、文房具などが書架に置かれた様子を8帖の巨大な屏風に描いた冊架図は本と学問で国を治めるという正祖の「本中心の統治理念」をよく表している。このような正祖の意志は王室から両班(朝鮮時代の支配階級)、庶民にまで広がり冊架図が流行ることになる。

冊架図屏風を集めた「朝鮮の宮廷画・民画傑作展」が11日からソウル芸術の殿堂で開催されている。冊架図は書架が登場する絵画を指し、「冊巨里」は書架はなく本と他の物を一緒に描いた絵を意味するのだが、これらを総称して冊巨里と呼ぶ。冊巨里は用途により宮廷で儀礼や装飾に使われた冊巨里と、一般家庭の装飾として使われた民画冊巨里がある。

朝鮮後期の画員、イ・ヒョンロクが描いた冊架図では本と陶磁器、花などの様々な文物が登場する

朝鮮後期の画員、イ・ヒョンロクが描いた冊架図では本と陶磁器、花などの様々な文物が登場する

8帖の屏風にヒョウ柄の引き幕が張られた書斎の風景を描いた朝鮮後期の冊架図

8帖の屏風にヒョウ柄の引き幕が張られた書斎の風景を描いた朝鮮後期の冊架図



同展示では正祖時代に描かれた初期の冊架図屏風はもちろん、宮廷画員のイ・ヒョンロク(1808~?)が描いた冊架図屏風や刺繍冊巨里など初めて公開される20余りの作品と共に、冊巨里の傑作とされる朝鮮後期の画家、チャン・ハンジョン(1768~1815)が描いた冊架図、ヒョウ柄の引き幕が張られた書斎の風景を描いた『虎皮張幕図』などがすべて公開される。

なお、朝鮮王朝500年の統治イデオロギーだった儒教理念の「孝悌忠信礼義廉恥」を書体造形と象徴で再解釈した「文字図」屏風の約20点も一緒に展示された。朝鮮後期に登場した文字図には8帖屏風の各面に孝・悌・忠・信・礼・義・廉・恥の8文字が描かれている。同展示では「江原道(カンウォンド)文字図」「済州島(チェジュド)文字図」など、地域の特徴的な文字図を見比べることもできる。

朝鮮王朝の統治理念だった「孝悌忠信礼義廉恥」を書体造形と象徴で表現した「文字図」

朝鮮王朝の統治理念だった「孝悌忠信礼義廉恥」を書体造形と象徴で表現した「文字図」



8月28日まで続く同展示は9~12月にニューヨークのストーニーブルック大学、来年3~5月にカンザス大学、7~9月にクリーブランド美術館の日程で1年間アメリカで巡回展示を行う予定。

「朝鮮時代の宮廷画・民画傑作展」はソウル芸術の殿堂で8月28日まで開催される

「朝鮮時代の宮廷画・民画傑作展」はソウル芸術の殿堂で8月28日まで開催される



コリアネット ソン・ジエ記者
写真:芸術の殿堂
翻訳:イム・ユジン
jiae5853@korea.kr