- 2001年に韓国文学翻訳院が設立された。これまでの成果とは。 以前はフランス語とドイツ語の翻訳が強く、英語は相対的に弱かった。就任後、英米文学界の学者や韓国文学の教授および関係者との人的交流を行い、ネイティブスピーカー並みの英語能力を備えた英語チームを作った。また、ダルキー・アーカイブ(Dalkey Archive Press)出版社と25巻全集出版契約を締結した。これまでに、「The Library of Korean Literature」シリーズとして15巻が出版された。
良い翻訳のためには、両国の言語と文化に精通している必要があり、文学的なセンスと文章力が必要だ。そのためには、作家と同じくらい、あるいはそれ以上に努力する必要がある。翻訳院のアカデミーコースを大学院レベルに再編したのも、このような理由からだ。今年の秋の学期から2年制で運営される正規の大学院課程を通じて良い人材を発掘することができると期待している。プログラムも面白い。言語と言語の違いではなく、両国の文化の違いを翻訳する「文化翻訳」の練習をしたり、作家たちを招待し、学生がその作家の作品を翻訳し、一緒に討論したりする。修学旅行のように作家の文学館を見学し、作家の足跡を辿るプログラムもある。非常に評判がよく、優秀な学生が多数志願している。the best of the bestが来る。授業料全額に加えて生活費まで支援している。イギリス出身のソフィー・バウマンさんやアメリカ出身のビクトリア・コードゥルさんも良い翻訳家だ。優秀で翻訳も上手だ。コードゥルさんの場合は、偶然韓国に来た。ミネソタのサマーキャンプで韓国人の学生に出会い韓国に興味を持つようになったという。そして教授に勧められ、イギリスのロンドン大学アジアアフリカ学科(Studies of Oriental&African Studies、University of London)で勉強した後、韓国に来た。偶然、韓国人と知り合って韓国を知り、韓国に来た人や、韓国学科を卒業して韓国に来る人もいる。これは韓流のおかげで、韓流に感謝している。韓流が道を作った。その道に沿って、純文学が前に進める。これからが始まりだ。
- 申京淑(シン・ギョンスク)の『ママをお願い』の海外での出版以降、目立つ作品がないように思える。最近、海外で注目を集めている韓国文学作品とは。 裵琇亜(ペ・スア)のほか金英夏(キム・ヨンハ-Kim Young-ha)がいる。アメリカの大手出版社ホートン・ミフリン・ハーコート(Houghton Mifflin Harcourt)で金英夏の作品3編を出版した。大学生に成りすまして韓国に潜り込んだ北朝鮮工作員の韓国生活適応期を素材にした『光の帝国(Your Republic is Calling You)』、メキシコにおける韓国人の移民の歴史を綴った『黒い花(Black Flower)』、自殺サイトを素材にした『私は私を破壊する権利がある(I Have the Right to Destroy Myself)』の3編だ。彼の作品は、英米圏の読者にも人気がある。フランスでは、黄晳暎(ファン・ソギョン)と李文烈(イ・ムニョル)が人気がある。特に、黄晳暎の『客人』はうまく書かれた作品だ。韓国では、昔から天然痘を「お客」と呼んでいた。天然痘が顔に深い傷を残すように、作家は西洋のキリスト教と共産主義が韓国に流入し、消すことのできない深い傷を残したと批判する。そのような象徴的な要素に共感した。黄さんはこの作品で、朝鮮戦争当時、北朝鮮で行われた信川(シンチョン)大虐殺について、米軍によるものではなく、キリスト教と共産主義の対立の過程で発生したものだとしている。黄善美(ファン・ソンミ)作家の『庭を出ためんどり』も大きく注目されている。昨年、ロンドン国際図書展に行った時、黄作家のサインをもらおうと数十人の人が列を作っていた。
- 文学が人間の問題について悩み、交流すること自体が、世界平和に貢献することだと考える。 その通りだ。すべての基本となる。アメリカで、時々教授の講義室に行くと、「What is literature?」と質問されることがある。そんなときは、文学というのは、特に小説は、「色々な人を登場させ、どのような生き方が最も価値のある生き方かに気付かせてくれるものだ」と答える。私たちは登場人物を見て、「この人のように生きてはいけない」、あるいは「この人のように生きていこう」と思う。人と人の間の葛藤はなぜ起こるのか、どのように解決するのかなど、人間らしく生きていくことを教えてくれるのが小説だと思う。文学は、歴史を通じて、私たちが将来どのように生きるべきかを教えてくれる。SF小説は、私たちが科学を通じてどのように生きるべきかを教え、ファンタジーは幻想を通じて私たちの現実を鏡に映し、現実の世界でどのように生きるべきかに気付かせてくれる。これが文学の基本的な機能だと思う。