科学技術

2014.07.01

人類史は細菌との戦いの歴史でもある。

目に見えない細菌は様々な感染症を引き起こし、最悪の場合死に至ることもある。この半世紀の間、人類は数多くの抗生剤を開発し、細菌に対抗してきた。しかし、違う耐性を持つスーパーバクテリア(Superbacteria)が次から次へと登場し、常に新たな危機に直面してきた。スーパーバクテリアに感染して死亡した人は、欧米だけで年間約3万6千人に上る。米国の保健当局が指定した致命的なスーパーバクテリアだけで17種もある。特に、スーパーバクテリア「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA、 Methicillin-resistant Staphylococcus aureus)」によって、米国だけで年間約1万1千人が死に至っている。

한국에서 개발된 슈퍼박테리아 치료용 항생제 벡스트로'(SIVEXTRO™)

韓国で開発されたスーパーバクテリア治療用抗生剤「シヴェックストロ(SIVEXTRO™)」



一般の抗生剤では不可能だった治療を可能にしたスーパーバクテリア治療用抗生剤「シヴェックストロ(SIVEXTRO™、成分名:テディゾリド)が、韓国の製薬会社によって開発され、注目を集めている。

東亜製薬系列の専門医薬品会社「東亜ST」は、同社が開発した「シヴェックストロ」が6月にアメリカ食品医薬局(FDA)から新薬の承認を受けたと先日発表した。東亜STの「シヴェックストロ」は、2004年から10年間にわたる研究開発とグローバル臨床に取り組んだ結果、誕生した製品だ。コア技術を開発した東亜STが、米国の専門製薬会社「キュービスト・ファーマシューティカルズ(Cubist Pharmaceuticals)」を通じて臨床試験を実施した。韓国の製薬会社が開発した新薬が米FDAの承認を受けたのは、2003年のLG生命科学の抗生剤「ファクティブ」に続き2度目だ。

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슈퍼박테리아 치료용 항생제 시벡스트로'(SIVEXTRO™)를 개발한 연구진들과 동아쏘시오R&D센터 전경.

スーパーバクテリア治療用抗生剤「シヴェックストロ」を開発した研究チームのメンバー(上、中央)と東亜ソシオR&Dセンターの全景(下)



「シヴェックストロ」は、MRSAを含む急性細菌性皮膚感染症と軟部組織感染症(ABSSSI、Acute Bacterial Skin and Skin Structure Infections)の治療のために経口剤と注射剤として開発された抗生剤で、6日間という短期間で安全な治療効果を発揮する薬物と評価されている。また、安全性の面でも、消化器系の副作用の発生率が低いとされている。特に、この系列の抗生剤は、系列の特性から骨髄抑制に対する副作用があるが、「シヴェックストロ」は投薬後の血小板の数値が低く、安全性の面でも優れた抗生剤であることが立証されている。

東亜STのパク・チャニル社長は、「一日に一度の服用で済み、治療期間も従来の薬より短い」と話す。この製品は、6月末から米国の抗生剤専門会社「キュービスト」を通じ米国で発売され、現在行われている欧州医薬品庁(EMA、European Medicines Agency)の審査が完了すれば、来年には欧州にも進出する。


コリアネット ウィ・テックァン記者、イム・ジェオン記者
whan23@korea.kr