博物館の第3展示室に入ると、また別の遺物が目を引く。山水鳳凰模様のレンガだ。「世界で最も美しい装飾レンガ」とよばれる文様レンガ8種のうち一つだ。
山水鳳凰柄のレンガは長さ29センチ、厚さ4センチの正方形だ。縁起のいい雲、3段となる峰と岩が調和した山岳、流れる水など、自然の景色を盛り込んだ。叙情的な雰囲気とともに絵を見ているかのような気がする。山の上に鳳凰が座っている百済金銅大香炉が思い浮かぶ。
シン学芸研究員は「山水鳳凰模様のレンガは簡潔でバランスが取れている。構図からの安定感や百済特有の緩やかさがうかがえる」と評価した。
ほとんどの文様レンガは国立扶余博物館が所蔵している。宝物として指定された8点の文様のレンガは、現在、国立中央博物館の百済室にある。
# 国立扶余博物館をさらに楽しもう
- 博物館を訪れて百済人の世界観を感じてみよう。蓮の花の香りや百済金銅大香炉をはじめ、百済人が夢見た理想の世界を表現したレーザーショーが、常設展示室のロビーで毎日行われる。日程などの詳細は国立扶余博物館のホームページ(http://buyeo.museum.go.kr/content.do?key=2302160002)で確認できる。
- 博物館をより便利に楽しんでもらうために「百済を実感する」という憩いの場も用意した。韓国の伝統的な縁側と縁台をモチーフに、デジタルで表した空間だ。長さ12メートル、高さ2.4メートルの大型発光ダイオード(LED)画面で、扶余の窺岩(キュアム)で出土された金銅観音菩薩立像、百済金銅大香炉、王興寺址(ワンフンサジ)舎利器、扶余外里遺跡など百済文樣塼を活用した映像を見ながら休息できる。
- 博物館のあちこちにあるユニークな遺物を探してみるのもおススメだ。SNSで話題になったおまるの「虎子(ホジャ)」もこの一つだ。