文化

2024.07.05

特別展「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、参戦勇士の犠牲を称える展示の趣旨について説明するルクセンブルクのザビエ・ベテル副首相兼外交部長官=2日、ソウル・龍山区

特別展「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、参戦勇士の犠牲を称える展示の趣旨について説明するルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル副首相兼外交部長官=2日、ソウル・龍山区 


[ユン・ソジョン]
[写真=ジョン・ハン] 
[映像=イ・ジュニョン、パク・テジン]

「85人、自由の勇士たち」

1951年1月、韓国がどこの国なのかも知らずに、自由という価値を守り抜くために韓国戦争に参戦したルクセンブルクの勇士たちがいた。

1950年9月、ルクセンブルク陸軍とマスコミの募集を見て志願した兵士たちは、12月にルクセンブルクを離れ、1951年1月の末に2万2千キロメートル離れた釜山(プサン)に到着した。1952年3月には、第2次派兵隊が行われ、ルクセンブルクの勇士たちは、臨津(イムジン)江での戦いをはじめ、様々な戦闘で輝かしい功績を立てた。彼らのうち2人が死亡し、13人は負傷した。

ルクセンブルクの参戦勇士の犠牲と献身を称える特別展、「ルクセンブルクと85人の勇士」が2日にソウル・龍山(ヨンサン)区にある戦争記念館で開幕した。今年開館した駐韓ルクセンブルク大使館を記念するために企画された展示会だ。戦争記念館と駐韓ルクセンブルク大使館が共同で主催し、展示期間は9月29日まで。

ルクセンブルクは小さな国で、面積は済州(チェジュ)島の2倍くらいだ。当時の人口が20万人ほどだったにもかかわらず、85人も派兵した。韓国戦争は、ルクセンブルクが参戦した唯一の戦争だ。

今回の展示では、ルクセンブルクが韓国戦争への参戦を決めた過程から韓国までの長い道のり、ベルギー軍や韓国軍との協力、1953年1月にルクセンブルクに帰ってからの話、韓国とルクセンブルクの関係が発展してきた過程などについて紹介する。

参戦勇士が入隊を志願した宣言文、ルクセンブルクに送った手紙、写真やアルバム、勲章、軍服など60点余りが展示された。中でも、激戦地だった白馬高地(ペンマコジ)の戦いに参戦したジルバート・ホフェルス(Gilbert Hauffels)が書いた日記が目を引く。ホフェルスは自身の葬式にアリランを歌ってほしいという遺言を残した。そして、昨年5月、彼の葬式でアリランが演奏されマスコミにも取り上げられた。

開幕式には、ルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル(Xavier Bettel)副首相兼外交部長官、ルクセンブルクのステファニー・オーベルタン(Stéphanie Obertin)高等教育研究部長官、ルクセンブルクのジャック・フリース(Jacques Flies)駐韓ルクセンブルク初代大使、ベネット・ニーデルコン(Benoit Niederkorn)ルクセンブルク国立軍事博物館長、国家報勲部の姜貞愛(カン・ジョンエ)長官、ペク・スンジュ戦争記念事業会長などが参加した。

特別展「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、祝辞を述べる国家報勲部の姜貞愛長官=2日、ソウル・龍山区

特別展「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、祝辞を述べる国家報勲部の姜貞愛長官=2日、ソウル・龍山区 


ベッテル副首相兼外交部長官は「自由は当然に与えられたものではなく、戦って勝ち取るものだ」とし、「韓国戦争に自発的に参戦した勇士たちを忘れないでほしい」と話した。また、「ルクセンブルクだけでなくフィリピン、トルコなど、各国の若者たちが韓国戦争に参戦した。出身などは違うが、同じ価値を共有したのだ」とし、「両国が共有する歴史を称え、より良い未来に向けて友情を築いていこう」と述べた。 さらに、「今年は両国が大使館を開館する記念すべき年だ」とし、「大使館の開館は、両国の関係が深まった証拠である」と付け加えた。

国家報勲部の姜禎愛(カン・ジョンエ)長官は「共産勢力の侵入から韓国を守るのに貢献したルクセンブルクの参戦勇士は、韓国にとって重要な力になった」と評価した。姜禎愛長官は「韓国政府は、自由民主主義を守るのに貢献したルクセンブルクの英雄たちを忘れない。彼らの崇高な犠牲精神と人類愛を未来世界に継承していく。韓国とルクセンブルクの友情をより一層深められるように尽力する」と話した。

開幕式に続いて、この日の夕方にはソウル・中区(チュング)の新羅(シンラ)ホテルで、駐韓ルクセンブルク大使館の開館式が開かれた。特別展の開幕と大使館の開館を祝うために、朴振(パク・ジン)前外交部長官をはじめ、韓国側の政府関係者や約30カ国の駐韓大使らが参加した。

特別展、「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、ルクセンブルクのベッテル副首相兼外交部長官、国家報勲部の姜禎愛長官など、両国政府の主要関係者がテープカットをする様子=2日、ソウル・龍山区

戦争記念館で開幕した特別展である「ルクセンブルクと85人の勇士たち」では、ルクセンブルクが韓国戦争に参戦した過程や勇士たちの帰国後の話、両国関係の発展史に関する約60点が展示された。写真は、自筆日記を残した参戦勇士であるジルバート・ホフェルスを称える展示物を観覧するルクセンブルク副首相の様子=2日、ソウル・龍山区 


「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、ルクセンブルクのベッテル副首相兼外交部長官、国家報勲部の姜禎愛長官など、両国政府の主要関係者がテープカットをする様子=2日、ソウル・龍山区

「ルクセンブルクと85人の勇士たち」の開幕式で、ルクセンブルクのベッテル副首相兼外交部長官、国家報勲部の姜禎愛長官など、両国政府の主要関係者がテープカットをする様子=2日、ソウル・龍山区 



arete@korea.kr