国内事情

2022.06.09

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韓国の国民的司会者、宋海氏=2019年、ソウル


[キム・ウニョン]
[写真=聯合ニュース]

韓国の国民的司会者、宋海(ソン・へ)氏が8日、95歳で死去した。


これを受け、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、弔意を示し、故・宋氏に「金冠文化勲章」を授与した。第20代大統領室が同日、公式ホームページで公開した。


「金冠文化勲章」は、大衆文化芸術の発展に貢献した人を顕彰するもので、文化勲章の最高位に当たる。 文化体育観光部の朴普均(パク・ポギュン)長官が同時、故・宋氏の遺族に尹大統領からの弔電と文化勲章を伝えた。

尹大統領は弔電で「宋様の訃報に接し、悲しい気持ちでいっぱいだ」とし、「宋様は半世紀以上親しまれていた歌手であり、お笑い芸人であり、国民的司会者だった」と述べた。

また、30年以上にわたって「のど自慢番組」の司会を務め、韓国の大衆音楽の発展に寄与したと評したうえで、「芸術家の権利を保護する取り組みなど、様々な社会貢献活動を行ってきた」と説明した。

そして、「出場者とのコミカルな掛け合いや情にあふれる司会に皆が笑ったり泣いたりした」とし、「その思い出は心に残るだろう」として哀悼の意を示した。

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宋海記念館の様子=8日、大邱


故・宋氏は1927年に北朝鮮の黄海道(ファンヘド)で生まれ、韓国戦争で渡韓した。1955年に歌手として芸能活動をはじめ、80年代までお笑い芸人と司会者として活動してきた。


公共放送のKBS1で毎週日曜の午前に放送している番組「全国のど自慢」の司会を1988年から34年間にわたって務めていた。2003年8月には同放送の特集企画として北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を訪問し、共同司会を務めた。2021年12月には故・宋氏が使用した生活用品や映像などを展示する「宋海記念館」が大邱市で開館した。

故・宋氏は、大韓民国芸能芸術賞や百想芸術大賞、韓国放送大賞などで功労賞を受賞した。今年4月には一般参加者が歌を競うテレビ番組の最高齢司会者としてギネス世界記録に認定された。

国民的司会者の訃報は、海外のメディアでも大きく取り上げられた。米ワシントン・ポスト(WP)は 故・宋氏について「障害者の放送コンテストへの出場を支持し、性的少数者を応援してきた」と紹介した。


eykim86@korea.kr