名誉記者団

2021.02.23

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[茨城=登久美子(日本)]
[写真=VICTOR ENTERTAINMENT]

2月3日(水)、シンガーソングライターのソン・シギョンが日本で2年ぶり3枚目となるアルバム「You Can Change My Life-愛が生まれた-」を発売し話題となっています。タイトル曲はアルバム名でもある「You Can Change My Life」。そして韓国ドラマ「九尾狐伝」のOST「モノクローム」、日本のドラマ「百合だのかんだの」のOSTである「ハチミツ」、ボーナストラックにはオフコースの名曲をカバーした「君住む街へ」など全7曲を収録しています。


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ソン・シギョンは韓国で2000年にアルバム「처음처럼(初めてのように)」でデビュー、日本でのデビューは2017年のアルバム「DRAMA」、現在41歳。バラードといえばソン・シギョン、と言えるほど数々のバラードを歌い続け、「バラードの皇帝」と言われるほど。2018年からは「NHKテレビでハングル講座」へのレギュラー出演やドラマ「孤独のグルメ」にも出演するなど、日本での人気も高まっています。


今回のタイトル曲「You Can Change My Life-愛が生まれた-」はスターダスト☆レビュー根本要氏が書き下ろしたミディアムテンポのバラードナンバーで、最初の歌い出しから高めのキーで始まります。この高めのキーを軽くさらっと歌う声がまたいい。ソン・シギョンの歌声の美味しい部分が詰まっています。そしてその歌声を堪能していると意表を突く転調を経てサビへ。この転調がドラマチックで、サビのキラキラした部分をより際立たせています。

もちろんこれで終わりではありません。歌詞にも注目したいポイントがあります。それは二人称、聞き手を示す言葉です。二人称に何を持ってくるかによって、そして漢字で書くかそうでないかによって、歌い手である「僕」との関係性や距離感が変わるように感じました。

1曲目の「You Can Change My Life-愛が生まれた-」は「君」、2曲目の「心のままにいられるのなら」も「君」、3曲目の「Time Lost」は「あなた」、4曲目の「あした」は「貴女(あなた)」、5曲目の「ハチミツ」は「キミ」、6曲目の「モノクローム」は「君」、そして最後7曲目の「君住む街へ」も「君」です。筆者には「君」を使うと年下や同い年の恋人、「あなた」を使うと年上の恋人というイメージがありましたが、歌詞を見ていくと年上かどうかだけではなく、それ以外に「君」と「あなた」それぞれの共通点があることがわかります。

それは相手に対して何をどう思っているか、ということです。「君」を使っている曲は比較的前向きな曲が多いのに対して、「あなた」を使っている「Time Lost」と「あした」の歌詞には「あなた」に対する後悔の念があります。「Time Lost」は別れた恋人を思う曲、「あした」は長く付き合っている恋人に告白する曲です。後悔している自分をさらけ出すのはある意味かっこ悪いかもしれませんが、それほど「あなた」に対して愛情があるということを告白しているので、曲を聴くと胸が打たれるとともに切なくなります。そのさらけ出した後悔や愛情を一言に集約した言葉が「あなた」になっているように思えました。

シンガーソングライターソン・シギョンにはたくさんの魅力があります。柔らかく通り抜けていくような歌声、緩急自在のビブラート、楽曲の良さなど、どれもナンバーワンでありオンリーワンでもあります。筆者が言いたいもう一つの魅力は、歌詞をそのまま生きた言葉にできる、というもの。彼が歌うことで歌詞から1枚の絵になり、1枚の絵が動き出して1本の映画になるような、そんな息を吹き込む力があります。歌声を通して映像が見えてくるようです。

全7曲はそれぞれシチュエーションの違う物語たちですが、その7つの物語を聴き、歌声から7本の映画を完成させてみてはいかがですか。

3月1日(月)より7(日)まで、茨城県のたかはぎFMにて放送される「旅するK-POP」で今回ご紹介した「You Can Change My Life-愛が生まれた-」をお送りします。放送は北海道から沖縄県まで全国17局、再放送を含めると一週間に25回放送されます。インターネット環境があれば全国どこででもお聞きいただけますので、詳細はカンナユリのブログ(https://kannayuri.hatenablog.com/entry/2021/01/08/153000)にてご確認ください。



登 久美子(のぼる くみこ)


茨城県たかはぎFM「旅するK-POP(全国18局より放送中)」のパーソナリティーであり番組編集も担当している。


Twitterアカウントは @Kanna_Yuri 

ブログは https://kannayuri.hatenablog.com/





*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr