朝鮮時代の文書や書籍には、国王の裁可を意味する「御宝」が押されている。朝鮮時代に王が使っていた印鑑、御宝は王室の権威と正統性を象徴するものである。
御宝は、王位継承、権力移譲、世子(皇太子)などの冊封、外交文書の作成や発送などの行政・外交の用途で使用され、国璽、玉璽とも呼ばれていた。
1882年にスンミョンヒョ(純明孝)皇后を王世子嬪(皇太子の配偶者)に封じることを記した文書で、「王世子嬪之印」が押されている
こうした御宝が押された朝鮮時代の古文献25種58本を展示した特別展が、2日から国立中央図書館で開かれている。
展示会「古文書や本で見る御宝」では、国王文書など行政的な目的で製作された御宝が押された資料をはじめ、王妃、皇太子などを冊封するときに「王妃之宝」「王世子印」「王世子妃之印」が刻まれた御宝が押された資料が展示された。
また、王が臣下に下賜するときに使う御宝が押された書籍や、第1代大韓帝国皇帝である高宗(コジョン)が独立国家を宣言し制作した「大韓国璽」も公開された。さらに、大韓帝国末期に純宗(スンジョン)が父の高宗に書いて渡した「高宗皇帝尊玉冊文」には、高宗の尊号「壽康」が刻まれている。
1883年にドイツとの間で締結された大朝鮮国大徳国通商条約(Treaty of Friendship and Commerce Between Germany and Korea)で、「大朝鮮国大君主宝」が刻まれた御宝が押されている
王が臣下に下賜する時に使う御宝が押された書籍
高宗皇帝の尊号「壽康」が刻まれた「高宗皇帝尊玉冊文」
国立中央図書館の関係者は、「御宝を通じて朝鮮時代の王室文化を紹介するために今回の展示を企画した。昔の文書と本に残っている御宝の痕跡を通じて、法治国家朝鮮の行政・外交がどのような手続きで行われていたのか、王と王室の権威を如何にして維持し管理していたかがわかるはず」と話す。
今回の展示会は、3月30日まで、国立中央図書館6階の古典運営室で開かれる。
3月30日まで国立中央図書館で開かれる展示会「古文書と本で見る御宝」のポスター
コリアネット ソン・ジエ記者
写真提供:国立中央図書館
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