朝鮮王陵文化祭
ソウル市内には、朝鮮王朝の歴史と文化がそのまま残された古宮と王陵が保存されています。この古宮が一般公開され、市民の文化体験と行楽の名所になりました。特に、秋には様々な祭りのプログラムも開かれるので、風情や趣を味わえる最適の時期といえます。
ソウル市内と首都圏には朝鮮王朝500年を統治した王のうち、40基の王陵が位置しています。王陵は優れた歴史的価値により、2009年に世界ユネスコ文化遺産に登録され、世界の人々に注目されました。
文化財庁宮陵遺跡本部と韓国文化財財団は2020年10月から、ソウル市内の9つの王陵(東九陵、西五陵、宣靖陵、世宗大王陵、隆健陵、懿陵、泰陵と康陵、献仁陵、洪裕陵)を開放し、様々な行事を行う「朝鮮王陵文化祭」を実施しています。王陵に関する情報提供はもちろん、プロジェクションマッピング、ドローン公演、王をコンテンツにした融合・複合公演などを通して、王陵の持つ意味を改めて考える機会を提供します。
景福宮の夜景体験は、韓国を代表する観光テーマの一つです。
古宮ナイトツアー
韓国観光になくてはならない古宮(コグン)は、昼と夜で雰囲気ががらりと変わります。昼の古宮にはひっそりとした静かな雰囲気を感じるために多くの観光客が集まります。しかし日が暮れるとほのかな明かりと神秘的な音響が加わり、昼とはまた違った魅力を醸しだします。こうした魅力がSNSなどで広まり、最近古宮は新しい夜間の名所として注目されています。
夜間に開放する古宮には、ソウル4大宮(景福宮[キョンボックン]、昌徳宮[チャンドックン]、昌慶宮[チャンギョンクン]、徳寿宮[トクスグン])と水原の華城行宮(ファソンヘングン)があります。古宮によって異なりますが、ツアープログラムを運営しているところもあり、参加にはホームページでの予約が必要です。
東九陵(トングルン)、テルン(泰陵)とカンルン(康陵)、世宗大王陵(セジョンデワンヌン)、洪裕陵(ホンユルン)、宣靖陵(ソンジョンヌン)、西五陵(ソオルン)には人文学と自然を同時に体験できる「王陵フォレスト」が整備されています。月明りの下で、王と王妃になったような情趣を味わえる時間も設けられています。洪裕陵と献仁陵で開かれる「王陵ヤビョルヘン」は、小さなちょうちんを手に王陵を散策しながら昔の王の生活を感じることができる体験プログラムです。
昌徳宮は夜になると月明りとライトアップを受け、より華やかになります。
みんなの風俗図
直接宮殿を訪れなくてもメタバースで楽しむこともできます。MZ世代の主な活動空間がメタバースであることに着眼した「みんなの風俗図」は、仮想の宮殿で自分だけのキャラクターを作り、宮殿を楽しむメタバースプログラムです。2021年に始まり、1年間で33万人が参加するほどMZ世代の間で人気を博しました。時空間を超えて宮殿を楽しみつつ、自分の個性を生かしたキャラクターを開発できることから、潜在的な創作意欲も高めるという特徴があります。
韓屋村
韓国には様々な形の韓屋村(ハノクマウル)があります。北村(プクチョン)韓屋村と南山コル韓屋村はソウルのビル街の中心に位置し、過去と現在の共存を肌で感じることができます。北村に位置する尋心軒(シムシムホン)は、韓国ナショナルトラストと共同で週末限定で一般市民に開放されます。中に入ると「ㄱ」の形をした韓屋や、ヌマル(高床の板の間)やテチョンマル(板の間)などの空間を鑑賞できるのはもちろん、鐘路地域一帯を眺めることもできます。全国最大規模の韓
屋村である全州(チョンジュ)韓屋村には、625軒にも及ぶ昔の瓦屋根の家屋(キワチプ)と現代的感覚が加わった近代的な韓屋が共存しています。単に見物するだけではなく、観光客が伝統的な空間で茶道や韓紙づくりなどの伝統文化を体験できることから、人気が高まっています。
その他に、忠清南道の公州(コンジュ)韓屋村、江原道江陵の烏竹軒(オジュクホン)韓屋村、全羅南道霊岩(ヨンアム)の鳩林(グリム)韓屋村は、全州韓屋村よりは素朴ですが、十分に韓国文化を体験できます。村ではありませんが、江原道江陵に位置する船橋荘(ソンギョジャン)でも伝統韓屋を体験することができます。船橋荘は、朝鮮時代の上流階級である士大夫(サデブ)の家屋で、300年以上にわたり原型がよく保存されており、現在も子孫が住んでいます。
崇礼門&南大門市場
かつてのソウル城郭の正門で、一般的には南大門(ナムデムン)と呼ばれますが、本来の名前は「崇礼門(スンネムン)」です。現存する韓国の城門建造物では最も規模が大きいものです。2008年に火災により大部分が焼失しましたが、復元工事により昔の姿を再び取り戻しました。
崇礼門の東側には、南大門市場があります。南大門市場は観光スポットとショッピングアイテム、グルメが充実しており、買い物客と観光客が集まる場所です。衣類やキッチン用品、家電製品、日用雑貨など様々な商品を手頃な価格で購入でき、カルチジョリム(太刀魚の煮付け)通りやカルグクス通りといったグルメの街としても有名です。
崇礼門
ソウルの城郭は、重要な国の施設があった漢城府(ハンソンブ)を保護するために作られた都城で、崇礼門という名前には「礼節を崇敬する門」という意味があります。
興仁之門&東大門市場
かつてのソウル城郭の東側の門で、一般的には東大門(トンデムン)と呼ばれますが、本来の名前は「興仁之門(フンインジムン)」です。近くには東大門市場と称される大規模な商圏が位置しています。
東大門市場は、広蔵(クァンジャン)市場をはじめとする平和(ピョンファ)市場、新平和(シンピョンファ)市場、東大門総合市場などの総称です。主に衣類を販売しているため、「東大門ファッション」という言葉も誕生しました。また、昼だけでなく、問屋として運営される深夜時間帯の夜間営業により、新たな衣類の消費文化が生まれ、市場の活性化にも大きく貢献しています。
2014年には、東大門市場の近くに世界最大規模の非定型建築物である東大門デザインプラザ(DDP)が開館し、新たな名所となりました。東大門デザインプラザの未来的なデザインのおかげで、東大門市場の素朴で庶民的だった雰囲気が多少モダンに変化し、主な消費者層が若者や外国人にまで拡大する傾向にあります。
興仁之門
興仁之門は8つの城門のうち、唯一甕城(城門を保護し、守るための半円状の城壁)を有しています。
光化門広場
光化門(クァンファムン)広場が2022年8月に改修を終え、市民の元へ戻ってきました。世宗文化会館側の車両通行を止めたことで自由に歩けるようになった光化門広場は、李舜臣将軍像~世宗大王像~光化門~景福宮~北岳山までを一望できる、歴史の息づく空間です。
改修する前の光化門広場は広場の両脇を車が通行していたため、歩行者にとってアクセスしやすい環境とはいえませんでした。改修後は車両通行が片側だけになったので、世宗文化会館前の道路から光化門広場までがつながり、自由に行き来できるようになりました。光化門広場の改修後、広場を訪れた人の滞在時間が長くなりました。また、世宗文化会館前の石造階段に座って休憩する人や、広場のベンチに座って会話を楽しむ人々も増えました。外国人観光客も多くの観光地への移動が便利な
光化門広場を旅のスタート地点とすることが多く、名実ともにソウルのランドマークになることが予想されます。
光化門広場
光化門前の通りは韓国の中心的な空間で、人々が集い、顔を合わせて語り、意見を交わす最も重要な場所です。
松峴洞敷地
ソウル鐘路区の松峴洞(ソンヒョンドン)敷地が、100年ぶりに市民の元へ戻ってきました。松峴洞敷地の面積は、ソウル広場の約3倍(37,117㎡)もあります。解放後、アメリカ大使館の宿舎として使用されたこともある松峴洞敷地は高い塀で囲まれ中が見えづらく、1990年代後半に宿舎が別の地に移転した後も空地として残っていました。2022年10月、それまで敷地を囲んでいた高さ4mの塀が1.2mになり、市民は広々とした敷地一帯を眺めることができるようになりました。
文化駅ソウル284&ソウル路7017
文化駅(ムンファヨク)ソウル284は旧ソウル駅の駅舎が複合文化芸術空間として生まれ変わった場所です。韓国で最も古い鉄道施設という歴史的意味を後世に伝えるため1925年の開館当時の姿を維持し、文化空間として一般に開放されています。
ソウル路(ソウルロ)7017は老朽化したソウル駅高架道路を撤去せず補修して散策路として甦らせた場所です。万里洞1街(マルリドンイルガ)から会賢(フェヒョン)駅までの1.5kmに達する道が木と花で彩られた散策路になりました。7017の70はソウル駅高架道路が建設された1970年を、17はソウル路がオープンした2017年を意味します。文化駅ソウル284、南大門、ソウル駅など、ソウルの歴史的な場所を一望できる場所です。
博物館&美術館
博物館と美術館はその国の文化と歴史を見せてくれる場所であり、その国の文化水準を示す尺度の役割を果たします。どの国を旅しても、旅行者が一番先に博物館と美術館を訪れる理由でもあります。
韓国の国立博物館・国立美術館も、国民に歴史を伝え、文化芸術を享受する楽しさを提供する役割を果たしています。
全国17の市・道に位置する博物館と美術館は2022年現在、計1,171か所(国立52、公立462、私立537、大学120)あります。
博物館や美術館によって所蔵する遺物と資料が異なるため、様々な文化を享受する楽しさを選ぶことができます。
国立中央博物館
1945年に開館した国立中央博物館は、2005年10月にソウル市龍山区(ヨンサング)西氷庫路(ソビンゴロ)の現在の位置に移転し、約30万m2の面積を有し、約40万点の遺物を所蔵しています。博物館は地下1階から地上6階の規模で、大切な文化財を安全に保管できる収蔵庫と展示室、研究スペース、利便施設などを備えています。
最も代表的な展示室は三国時代(6世紀後半~7世紀前半)に製作された国宝の半跏思惟像2点を並べて展示している「思惟空間」です。優れた鋳造技術を基に簡潔でありながらも躍動感に溢れ、華麗ながらも節制された謹厳な半跏思惟像は、人間の生老病死に対する深き苦悩と悟りを象徴しています。
常設展示室にはメイン通路の歴史の道、その左右には先史・古代館、中・近世館、寄贈館、書画館、彫刻・工芸館、世界文化館が位置しています。全ての遺物を鑑賞するにはおよそ一週間は時間がかかるため、展示館別に分けて観覧することをおすすめします。
代表的な遺物としては、半跏思惟像、新羅の金冠と金帯、金銅三尊仏立像、敬天寺十層石塔、高麗青磁、白磁壺などがあります。
国立中央博物館
国立中央博物館時代とテーマ別に提示されている6つの常設展示館、様々な内容を披露する特別展示館、五感で楽しく学ぶこども博物館、先端技術を活用した実感型コンテンツなどを思う存分楽しめます。
国立現代美術館
国立現代美術館は芸術的・美術史的価値の高い韓国及び海外作家の近現代美術品をアーカイブし、それを基に常設展・企画展などを開催する韓国唯一の国立美術館です。1969年の開館以来、1986年に果川館を新築し、続いて1988年の徳寿宮館、2013年のソウル館、2018年の清州館まで現在計4館を運営しており、2026年には大田館の開館を予定しています。
ソウル館は韓国現代美術の顔、そして同時代の現代美術総合館として展示以外にもパフォーマンス、シンポジウム、芸術映画の上映、参加型教育といった様々なプログラムを開催しています。徳寿宮館は1900~1950年代の韓国近代期の美術を重点的に取り扱う近代美術専門館で、韓国近代作家の個展をはじめ、多様なジャンルとテーマの企画展を開催しています。果川館は、建築、工芸、版画、デザインに至る美術史の地平の拡大と、こども美術館の強化による研究中心・家族中心の美術館です。果川館には、世界的なメディアアーティスト白南準(ナムジュン・パイク)の「多多益善(タダイクソン)」が常設展示されています。モニターの老朽化により稼働を中止していましたが、3年間の保存・復元作業を経て2022年9月に再稼働しました。これは白南準の作品だけでなく、世界のメディアアートの保存・復元の意味ある事例として挙げられます。清州館は、韓国初の収蔵型美術館で、作品の収蔵と保存のための専門機関であり、観覧客が収蔵庫に入って直接作品を鑑賞できる開放収蔵庫と、ガラス窓越しに中が見える「見える収蔵庫」、「見える保存科学室」などを運営しています。
国立ハングル博物館
最近、ハングルほど世界的に関心を集め、愛されている文字はありません。世界各地ではハングル講座が開設され、ハングルを習う人で溢れており、韓国を直接訪れて韓国語学堂に通う外国人も増えています。
ソウル市龍山区に開館した国立ハングル博物館は、ハングルを様々な角度からフォーカスした展示会を企画し、一般に公開しています。特に、視覚芸術家はもちろん、工芸家、ファッションデザイナー、音楽家など、多様なジャンルの芸術家と共に、ハングルの優秀さと美しさに焦点を当てたコンテンツを定期的に展示しています。
また、ハングルの歴史がうかがえる様々な資料を所蔵しており、王室でハングルが使用されたことが分かる「正祖御筆ハングル片紙帖(正祖がハングルで書いた手紙)」と「徳温公主(トゴンコンジュ)家のハングル資料」、朝鮮後期の歌曲の歌詞を集めた「青丘永言(チョングヨンオン)」、周時経(チュ・シギョン)と彼の弟子たちが国語辞典を編纂するために書いた原稿である「マルモイ」などを所蔵しています。
国立ハングル博物館
韓国の代表的な文化遺産であるハングルの歴史と価値、優秀性などを伝える展示と体験、学びの機会を提供する博物館です。
ソウル工芸博物館
「工芸」とは日常生活に必要な物を意味しますが、実用性だけでなく芸術性が加わり、現代では美術の一部とされています。
工芸に込められた韓民族の美感を鑑賞できる場所が、ソウル市鍾路区(チョンノグ)安国洞(アングクドン)に2021年7月に開館したソウル工芸博物館です。螺鈿(チャゲ)、チョガッポ(パッチワークのふろしき)、竹工芸、メドゥプ(組紐)など、伝統として受け継がれてきた工芸品をはじめ、現代工芸作家の作品まで約2万点の工芸品を所蔵しています。また、工芸に関する資料やアーカイブも揃っており、韓国工芸に対する理解を深めることができます。
ソウル工芸博物館では常設展示が無料で公開されており、工芸を楽しめる様々な体験プログラムも運営しているので、工芸をより身近に感じることができます。プログラムに関する詳細は、ソウル工芸博物館のホームページよりご確認いただけます。
Leeum美術館
サムスン文化財団が運営する私立美術館のLeeum美術館は、サムスングループ創業主の李秉喆(イ・ビョンチョル)会長の「Lee」と、ミュージアム(museum)の「um」を組み合わせた名前です。
美術品と遺物に対する愛が格別だった創業主の李秉喆氏と故李健熙(イ・ゴンヒ)サムスングループ会長の思い入れが詰まっています。国宝36点と宝物96点を所蔵しています。美術館の建築は世界的な建築家のレム・コールハース、マリオ・ボッタ、ジャン・ヌーベルの作品です。3つの建物が有機的に連結しています。
各展示スペースでは、青銅器遺物、三国時代の遺物、高麗青磁、仏教画などの古美術から、朴栖甫(パク・ソボ)、アニッシュ・カプーア、ダミアン・ハーストといった現代美術の巨匠の作品まで、幅広く鑑賞できます。
李禹煥(イ・ウファン)美術館
20世紀の韓国の美術家のうち世界で最も有名な作家は、ビデオアーティストの白南準でした。独特な創作哲学を基に、ビデオアートという新しいジャンルを誕生させ、世界美術の歴史に一線を画しました。
21世紀に入ってからは韓国を代表する美術として単色画が急浮上し、朴栖甫(パク・ソボ)、河鍾賢(ハ・ジョンヒョン)、李禹煥(イ・ウファン)ら抽象画家が世界の美術愛好家から愛されています。
2022年4月、フランス・アルルに李禹煥美術館が開館しました。16~18世紀の豪邸を改造した建物にオープンした李禹煥美術館は、李禹煥の代表的な作品をヨーロッパの人々に紹介する空間です。李禹煥美術館が海外に設立されたのは、これで2回目です。李禹煥美術館は2010年、日本の直島に初めて開館しました。直島の李禹煥美術館は、日本の有名建築家である安藤忠雄が建築を担当しました。その後、2015年には釜山市立美術館の中に李禹煥のスペースが設けられました。
フリーズアートフェアの韓国上陸
K-アートの人気が高まったことで、韓国の美術市場は購買力や波及力などの面において世界の美術市場から注目されています。
韓国の美術市場の規模が拡大し、世界的に有名なアートフェアのフリーズ(Frieze)が韓国最大アートフェアのキアフ(KIAF)と共同で2022年9月にソウルで展示会を開催し、シナジー効果を生みました。フリーズが香港や日本ではなくソウルにまず上陸したことは、韓国の美術市場がアジアの拠点として浮上していることを裏付けているといえます。
K-クラシックのルネサンス、イム・ユンチャン
ピアニストのイム・ユンチャン(18歳)が、2022年6月18日、世界的なピアノコンクールのヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝しました。同大会の60年の歴史において、史上最年少での優勝という記録を打ち立てました。それまでの最年少優勝のタイトルは、2009年の中国のハオチェン・チャンと1969年のクリスティーナ・オルティスが保持していました。彼らは共に19歳での優勝でした。北米最大規模の音楽コンクールのヴァン・クライバーンコンクールで優勝した後、世界的な巨匠となったピアニストにはラドゥ・ルプ(1966年)をはじめ、アレクセイ・スルタノフ(1989年)、オルガ・カーン(2001年)などが挙げられます。
2015年の第17回ショパン国際ピアノコンクールで優勝し、世界を舞台に活発な活動を繰り広げているピアニストのチョ・ソンジンと共に、イム・ユンチャンの登場によって韓国はクラシック界に欠かせない重要な国となりました。
ピアニスト、イム・ユンチャン
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝の副賞として、イム・ユンチャンは3年間のワールドツアーのチャンスを手に入れました。2023年にはニューヨーク、ロンドン、パリなど、アメリカとヨーロッパでのツアーを行いました。
バリトン歌手キム・ギフン
バリトン歌手のキム・ギフンがグローバル舞台で大きな成果をあげ、優れた技量を発揮しました。キム・ギフンは2021年6月、韓国人として初めて「BBCカーディフ国際声楽コンクール(BBCCardiff Singer of the World)2021」のアリア部門で1位を獲得しました。2019年のチャイコフスキー国際コンクールの声楽男声部門で2位、2019年オペラリア(ドミンゴ国際オペラ声楽コンクール)で2位を獲得するなど、継続して優れた技量を披露しています。
英BBCが生中継する「BBCカーディフ国際声楽コンクール」は、世界3大バリトン歌手のブリン・ターフェル、ディミトリー・ホロストフスキーなどを輩出したコンクールです。
ハングルのパワー、世宗学堂
K-コンテンツが世界的に流行したことで、韓国語を学ぼうとする外国人が増えています。世宗学堂財団の調査によると、世界各国に設置されている世宗学堂(セジョンハクタン)で韓国語を学ぶ外国人の数は、2019年に72,713人▶2020年に76,528人▶2021年に81,476人と、持続的に増加傾向にあります。世宗学堂の数も、2019年に60か国180か所▶2020年に78か国213か所▶2021年に82か国234か所へと拡大しました。世宗学堂財団は、このように韓国語を学ぼうとする外国人が増え続けているのは、K-コンテンツの世界的な人気のおかげであり、コンテンツから受けた感動が韓国語と韓国の文化を学びたいという需要に繋がっているものと分析しています。
2022年には、南アフリカ共和国、ルクセンブルク、バングラデシュ、サウジアラビア、クウェート、チュニジア、フィンランドの7か国に世宗学堂が新たに開館しました。これで外国に開設された世宗学堂は、2022年基準で84か国244か所になりました。