単一民族社会だった韓国に外国人労働者、学生、結婚移民者が急増したことで、多様な文化を包容し共存することが韓国社会の中核的な課題として浮上しました。2020年を基準として、韓国に居住する外国人は総人口の3.3%で、このうち中国国籍が46%を占めています。韓国の全ての婚姻件数のうち、多文化婚姻の割合は2021年基準で7.2%に達しています。異なる国籍や人種の人で構成された多文化家族の構成員は109万人を超えました。
韓国は、2008年に多文化家族の構成員が安定的に生活を営めるよう支援する「多文化家族支援法」を制定し、全国で230の多文化家族支援センターを運営しています。センターでは、主に結婚移民者が韓国の生活にスムーズに適応できるよう、韓国語教育や心理相談などのプログラムを運営し、就職も支援しています。また、多文化家族の子女が公教育システムに適応し、立派な社会の構成員として成長できるよう、様々な支援政策を推進しています。
一方、2001年の「ユネスコ文化的多様性に関する世界宣言」以降、文化の多様性、即ち互いに異なる考え方や表現の違いを理解し尊重して、人類共同の豊かさを追求することの重要性がグローバルな課題として浮上しました。これに合わせて韓国は、2014年に「文化多様性の保護と増進に関する法律」を制定し、毎年「文化多様性の日(5月21日)」から1週間を文化多様性週間に定め、様々なプログラムを運営しています。また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより拡大した差別と嫌悪感情をなくし、複数の文化が調和してより創意的な文化を創出できるように、2021年に「文化多様性の保護及び増進の基本計画」を策定しました。