文化

2016.12.02

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うるち米の粉と小豆を交互に重ねて蒸したパッシルトックは誕生祝いや法事の時、または引っ越し先でご近所への挨拶回りをする時にお馴染みの餅である。

シルトック文化は昔から発達しており、それは朝鮮後期の生活指針『閨閤叢書キュハプチョンソ』に11種類ものシルトックが登場することからもよくわかる。シルトックとはうるち米を水でふやかして粉状にしたものをシル(甑:せいろう)の底に敷き、その上に小豆を乗せて蒸し上げる餅のこと。米粉に混ぜる材料や上に載せる材料によって様々な種類の餅が出来上がるが、中でも代表的なのが小豆を載せて作ったパッシルトックである。

韓国では昔から大事なイベント事があると小豆餅を作り分け合った。小豆には厄除けの意味があるからだ。韓国人は昔から陰陽説の「陽気」を象徴する小豆の赤い色が陰鬼を追い払い悪疫予防になると考え、お祝い事・引っ越し・開業・生後100日の記念や1歳の誕生日・お年寄りの誕生日などおめでたい日にシルトックを作って分け合えば良いことが起きると信じてきた。

붉은 팥고물과 멥쌀가루로 만드는 팥시루떡은 한국인들이 생일, 고사, 개업, 이사 등 중요한 날이나 기념일에 만들어 나눠먹는 떡이다. 팥으로 떡을 해 먹는 것은 팥에 액운을 막고 복을 불러온다는 믿음 때문이다.

紅い小豆とうるち米の粉で作るパッシルトックは誕生日・法事・開業・引っ越しなど大事なイベントやお祝い事がある日に作って食べる餅。小豆が厄災を防ぎ福を招くと信じられてきたため、小豆で餅を作って食べる習わしがある





朝鮮後期の年中行事と民間風習を記した書物『東国歳時記』には冬の到来を知らせる立冬(二十四節気のうち19番目の節気で今年は11月7日)の頃になると農家ではその年の新穀でパッシルトックを作り法事を執り行ったとある。また、1年の間で夜が最も長い冬至(二十四節気のうち22番目の節気で今年は12月21日)が旧暦の11月初め頃(1日~10日)に訪れる「児冬至エドンジ」には冬至の日に食べる節句料理である小豆粥の代わりにパッシルトックを子供らに食べさせた。

韓国伝統飲食研究所によると小豆には体の中に溜まった不要な水分を排出する働きがあり、うるち米には消化器官を丈夫で元気にする効果がある。朝鮮時代の宮中では小豆にダイコンを加えて甘さを引き立てたシルトックが食後のデザートとして親しまれた。

**材料と分量
うるち米 150g (1.5カップ)
塩 1.5g
水 30g (大さじ2)
小豆 70g (0.5カップ)
湯通し用の水 200g (1カップ)
小豆用の茹で水 600g (3カップ)
塩 1.2g
蒸し水 2kg (10カップ)

**材料の下準備
1. 塩を加えたうるち米の粉を1度ふるいにかけ、水をなじませてから再度ふるいにかける。
2. 小豆はきれいに洗い、ざるにあげて水を切る。

팥을 깨끗이 씻어 체에 밭쳐 물기를 뺀다.

小豆はきれいに洗い、ざるにあげて水を切る





**作り方
1. 鍋に湯通し用の水と小豆を入れ、強火で4分煮込んでからお湯を捨てる。再び鍋に茹で水と小豆を入れて強火に25分ほどかけ、煮立ったら中火にしてさらに煮詰め、小豆が茹で上がったらざるにあげて水を切る。
2. 予熱した鍋に茹でた小豆を入れ、中火で3分ほど乾煎りして水分を飛ばす。小豆がまだ温かいうちに塩を加え、つぶが半分くらい残るようすりこぎで潰す。
3. 蒸し器に蒸し水を入れて強火に9分かける。湯気が立ったら水で湿らせた蒸し布を敷き、ステンレス製の抜き型(直径16cm)を入れて下準備した小豆の半分を入れて平たくする。その上にうるち米の粉を同じように入れて平たくならし、さらに残った小豆を上から被せる。
4. 湯気が立った時からさらに15分間蒸す。

냄비에 붉은 팥과 물을 붓고 센불에 4분 정도 끓인다.

鍋に小豆と水を入れ強火で4分煮詰める。




삶은 팥을 중불에 볶아 물기를 날린 뒤 팥이 따뜻할 때 소금을 넣고 팥알이 반 정도 으깨지도록 방망이로 찧어 팥고물을 만든다. 팥고물 시루떡에는 설탕을 넣지 말고 소금만 넣어야 깊은 맛이 난다.

茹でた小豆を中火で乾煎りして水分を飛ばしたら、温かいうちに塩を入れ、つぶが半分ほど残るようすりこぎで潰す。潰した小豆には砂糖は入れずに塩だけを入れた方が豊かな味わいを楽しめる





찜기에 물을 붓고 끓여 김이 오르면 젖은 면보를 깔고 그 위에 떡틀을 넣는다. 떡틀 안에 팥고물 절반 가량을 고루 펴서 넣는다. 그 위에 멥쌀가루를 넣고 수평으로 평평하게 한 다음 나머지 팥고물을 고루 펴서 덮는다. 김이 오른 뒤 15분 정도 찐다. 이때 멥쌀가루 수분의 정도에 따라 물의 양을 조절할 수 있다.

蒸し器に水を入れて火にかけ、湯気が立ったら湿らせた蒸し布を敷いて抜き型を入れる。抜き型の中に小豆とうるち米の粉を入れて平たくならす。湯気が立ってきたらそこからさらに15分蒸す。うるち米粉の水分の含み具合によって水の量を調整するとよい






編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
翻訳:イ・スミン
arete@korea.kr