文化

2025.11.21

日本で1000万人の観客を動員した在日韓国人イ・サンイル監督の新作映画『国宝』が19日、韓国で公開された。写真はイ監督(中央)の映画『国宝』の撮影現場の様子=メディアキャッスル日本で1000万人の観客を動員した在日韓国人イ・サンイル監督の新作映画『国宝』が19日、韓国で公開された。写真はイ監督(中央)の映画『国宝』の撮影現場の様子=メディアキャッスル

[ソウル=ソ・エヨン]

日本で1000万人の観客を動員した在日韓国人イ・サンイル監督の新作映画『国宝』が韓国で公開された。

イ監督は13日、ソウル・龍山(ヨンサン)区のCGV龍山アイパークモールで映画『国宝』のプレス試写会および来韓記者懇談会を開き、作品の紹介とともに日本でのヒットの秘訣を語った。

『国宝』は、日本の伝統芸能・歌舞伎の役者の中で、女形(女性の役を演じる男性の役者)に人生を捧げた男二人の50年にわたる友情と葛藤を描いた作品。

映画は6月に日本で公開され、驚異的な興行成績を記録し続けている。3時間近い上映時間にもかかわらず、公開102日間で観客動員数1000万人を突破し、日本における実写映画の歴代興行収入ランキングで2位となった。今もその人気は続いており、近々日本の実写映画史上最高のヒット作になりそうだ。そうなれば日本で22年ぶりに記録を塗り替える記念碑的な出来事で、アニメ映画ではなく実写映画のそうした快挙は空前の大ヒットと言っても過言ではない。

映画『国宝』は、日本の伝統芸能・歌舞伎の役者の中で、女形(女性の役を演じる男性の役者)に人生を捧げた男二人の50年にわたる友情と葛藤を描いた作品=映画『国宝』公式サイト

映画『国宝』は、日本の伝統芸能・歌舞伎の役者の中で、女形(女性の役を演じる男性の役者)に人生を捧げた男二人の50年にわたる友情と葛藤を描いた作品=映画『国宝』公式サイト


イ監督は「自分でも驚く結果になった」とし、「実感として、日本では若者がSNSでわかりやすく(映画の)情報をシェアし、年配の方は口コミで映画の熱気を伝えてくれ、とても驚くとともに嬉しい」と心境を語った。

日本の観客の反応については「『映像が美しく音響も迫力があって3時間があっという間に過ぎた。家で観るのとは違った感動を覚えた』という感想を聞いて嬉しかった」と述べた。また、「20年ぶりに映画館に来たという観客が『観に来て良かった』と言ってくれたことも印象に残った」と付け加えた。 

映画『国宝』の一場面=メディアキャッスル

映画『国宝』の一場面=メディアキャッスル


歌舞伎は役者の芸名と役割が代々世襲され、血筋を中心に厳格に継承されるのが特徴だ。しかし、『国宝』は単に歌舞伎そのものを照らし出すだけではなく、正当な「血筋を引く者」と類まれな「才能を持つよそ者」が芸でしのぎを削る中、アイデンティティとルーツについて考えさせる問いを投げかける。   

イ監督は「私が韓国にルーツを持つ在日韓国人だということがこの映画に直接関係しているとは言えないが、『血筋を引く者とよそ者』という物語の構造は、私が生まれた時から背負ってきた宿命と重なる部分がある」とし、「他のどの国よりも韓国の観客にそうしたことを深く共感してもらえれば嬉しい」と述べた。

『国宝』は、来年の第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門 の日本代表作品に選出された。

イ監督は「このような芸術は、日本だけにあるわけではない。オペラ、シェイクスピア劇、ハリウッド映画にも深い歴史がある」とした上で「自分の人生を捧げて芸に磨きをかける人たちは一見華やかに見えるが、その裏には暗い影もある。光と影を抱えた人生は、どこでも普遍的に興味を引く題材」と述べた。

『国宝』は、韓国で19日に公開された。

xuaiy@korea.kr