[文・写真=駒瀬元暉]
墨湖の街全体を眺めるビューは本当に絵の中にいるようでした。
こんにちは、ソウル在住で観光が大好きな駒瀬元暉です。
皆さん、最近韓国内で若者を中心に大人気の江原道の海の街をご存じですか?
今回ご紹介するのは、江原道 東海市の
墨湖(ムッコ)(※묵호) という小さな街です。SNSは墨湖を紹介する動画や投稿で溢れかえり、人気のフォトスポットには連日観光客が殺到しています。
実は私はブームになる前、昨年の6月に既に墨湖を訪れたのですが、
果てしなく広がる海の絶景はもちろん、壁画村など
韓国らしいアートな感性が詰まった場所でした。
この記事では、そんな墨湖の美しい景色はもちろん、墨湖港を取り巻く壮大な歴史についてもご紹介していきます!
海の色が本当に綺麗な群青色で迫力満点でした。
大海原を見渡す壮大な景色
墨湖は韓国の東海岸沿いの街。海に面した丘に住居が築かれていて、丘の上からは目の前に大海原のパノラマビューが広がります。
実は、韓国は東側と西側で海の景色が大きく異なるんです。西側は干潟が広がる遠浅の海、そして墨湖がある東側は深くて
透き通ったコバルトブルーの海が見られます。そのため、江陵や束草など東海岸沿いにリゾートホテルが多く建てられているんです。
墨湖は東海岸の他の都市に比べリゾート開発が進んでいないため、のどかで昔のままの街が残っています。
静かな雰囲気で海の絶景を満喫できるのが墨湖の大きな魅力です。
丘の頂上にたたずむ墨湖灯台。灯台を入れて撮ると更に絵になりますね。
”韓国のサントリニ” ノンゴルダムギルの壁画村を散歩
墨湖が単なる海が見える街にとどまらない理由は、街中にびっしり描かれた壁画を楽しむことができるから。斜面上の住宅街は
ノンゴルダムギル(논골담길)と呼ばれ、墨湖の歴史をテーマにした絵が、家の壁や道路脇であちこち見つけられます。
海に面したカラフルな街の風景がまるでサントリニのようだと呼ばれているんです。
2010年から、人が減った街に活気を呼び込もうと壁画を描くプロジェクトが行われ、現在のノンゴルダムギルの姿になりました。
可愛らしい壁画を鑑賞しながら入り組んだ坂道を登っていくのは、なんだか宝探しをしているかのようなワクワク感が湧いてきます。
ノンゴルダムギル以外でも、韓国では住民が少なくなった田舎の閑静な住宅街に壁画が描かれている場所がとても多いんです。人々の生活のすぐそばにアートが息づいている韓国。私が韓国の街の風景が好きな理由です。
海をテーマにした壁画はバラエティに富んでいて、次の作品を探すワクワク感がありました。
人気ドラマ『相続者たち』のロケ地。ドラマに使われるのも納得の絵になる街並みです。
墨湖港で壮大な海に夢を見た者の物語
今はのどかでゆっくりとした時間が流れる墨湖ですが、かつて
一獲千金を夢見た人々で溢れる港町でした。
1941年に開港した墨湖港は、主に墨湖の西側の江原道地方の鉱山で採掘した石炭の輸出で莫大な利益を上げました。そして、1960~70年代にはイカ漁が盛んになり、全国から漁業で富を得るために大勢の人々が流入しました。
貧しかった彼らは、斜面上に小さな住居を密集させて暮らしていました。その名残が今のノンゴルダムギル壁画村のある街並みなんです。
漁獲量の減少で今はもうかつてのような活気はなく、閑静で昔懐かしい空気に満ちている墨湖。
私はレトロな壁画村を歩いて壮大な海の絶景を眺めながら、かつて
大海原に夢を見た名も無き人々のことを想像してみました。
今は壁画だけが当時の墨湖港の賑わいを伝えてくれています。
ノンゴルダムギルから歩いて行ける「トッチェビゴルスカイバレー展望台」。透明のガラス越しの絶景はスリル満点でした。
KTX海列車に乗って墨湖の旅へ!
そんな魅力満載の墨湖ですが、実はソウルから公共交通機関でのアクセスも比較的簡単なんです。高速鉄道KTX停車駅の墨湖駅があり、ソウルの清涼里駅から2時間半ほどで到着します。
駅の周りに徒歩圏内で観光地が密集しているため、歩きでも余裕を持って楽しめるのも嬉しいポイントです。
更に、墨湖旅行で忘れてはいけない大きな見どころは、
KTXからのオーシャンビューです。ソウルを出発し東へ向かうKTXは、江陵駅を過ぎると進路を右へ取り、墨湖駅に到着するまで東海岸すれすれを走ります。海からどれくらい近いかというと、墨湖駅の一つ前の正東津駅がなんと世界で一番海に近い駅としてギネス認定されているほどです。
一つ旅行の際のポイントをお伝えさせていただくと、ソウルから墨湖駅に向かう際、KTXの座席は必ず
AまたはB列を選択してください。こちらが海側の座席です。
世界で一番海から近い駅「正東津駅」。墨湖駅の隣なので合わせて訪れてみるのもオススメです。
*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
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