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2024.06.11

国立韓国文学館の着工式で開会の辞を述べる国立韓国文学館のムン・ジョンヒ館長=先月20日、国立韓国文学館

国立韓国文学館の着工式で開会の辞を述べる国立韓国文学館のムン・ジョンヒ館長=先月20日、国立韓国文学館


[オ・グムファ]

国立韓国文学館(文学館)の着工式が先月20日、ソウル市・恩平(ウンピョン)区・津寛(ジングァン)洞にある文学館建設予定地にて行われた。文化体育観光部の柳仁村(ユ・インチョン)長官をはじめ、国内の代表的な文学団体長や文学資料の寄贈者、地域の住民など、多くの人々が文学館の着工を祝った。

文学館は2026年下半期の開館を目標にする。恩平区・津寛洞175に延面積14,993平方メートル、敷地面積13,248平方メートル、地下2階、地上2階の規模で建設する計画だ。事業を推進する2021年から2026年までに投入される予算は総額716億ウォン。

同日の着工式に参加した柳仁村(ユ・インチョン)長官は、「文学界の念願の事業だった文学館の着工式を機に、韓国文学振興のために創作、発表、発刊など各段階に合わせて必要な支援政策を推進する」と述べた。

「大器晩成」という言葉がある。着工に至るまでの時間は長かったが、文学館の建設に向けた努力は一瞬たりとも怠ったことがない。今も、尽力している。国立韓国文学館は、文学の中心となる機関として、世界に向かって力強く羽ばたこうとしている。

以下は先月28日、コリアネットが国立韓国文学館のムン・ジョンヒ館長と行った書面インタビュー。

文学界の念願事業である国立韓国文学館が先月20日、ついに着工式を行った。これからの計画について聞きたい。

2016年に文学振興法が制定されてから8年、そして2019年に国立韓国文学館法人が設立されてから5年が経った。そして、今回、ついに着工式を行われた。これまで文学館の建物がなくて実行できなかった多くの事業を、これからは本格的に取り組むことができ、非常に意味深い。時間がかかったぶん、2026年の開館の際は、国民に文学の魅力を発信できるようにしたい。

韓国で初めて設立される国立韓国文学館の中核事業は何か。

資料の収集や管理は、過去の遺産を保存し伝承する国立韓国文学館の基盤事業と言える。 国立韓国文学館は、植民地時代や戦争を経て、なくなってはならぬ韓国文学の重要な資料を保存するために建てられた。

文学資料の場合、ほとんどが紙でできているので、環境によっては毀損する可能性が高い。保存のためには適切な処理を迅速に行うことが重要だ。これまで韓国文学館は、名前でしか接したことのない古典や現代の作品など、韓国文学の原本資料を収集することができた。そして、中でも毀損がひどいものは保存処理をしながら管理してきた。資料は、韓国文学の歴史であり、未来の遺産でもあるのでとても重要だ。国立韓国文学館のような国立機関が受け継いでいくべき重要な事業だと考える。

今後は収集した資料をデジタル化し、世界のどこからでも閲覧でき、資料を活用できるようにする予定だ。韓国の文学を展示することを基盤に、様々な連携や交流事業も推進したい。韓国の文学について広く発信する計画だ。

国立韓国文学館が果たしていく今後の役割は何か。

国立韓国文学館は「文学振興法」に明示された文学に関連する全ての事業を行う。全国の文学館を網羅する「中央館」として、地域の文学館との緊密な協力を通じて交流しながら、韓国文学の振興に向けて様々な役割を果たしていく。

また、文学資料の収集や保存はもちろん、韓国文学の研究や調査を行い、韓国文学がどのように発展してきたのかを知らせたい。文学資料を活用した展示や学術大会、朗読会、作家との出会いなど様々なイベントを開催する予定だ。

- 多くの韓国文学作品が翻訳され、海外で認められている。これについてどのように考えるか。

歓迎すべきことであり、とても励みになる。実際、韓国文学はレベルが高く、世界でも通用する。ただ、韓国文化の素晴らしさが認められるまで、多少時間がかかっただけだ。最近は言語的、文化的多様性を尊重する雰囲気になっている。これも韓国文学に対する注目度が高まった一つの要素と言えるだろう。また、韓国文学作品の翻訳家や作家たちの海外交流などを引き続き支援してきた政府の努力も大きな役割を果たした。

根が丈夫であってこそ、枝も遠くまで伸びることができ、華やかな色の花が咲く。韓国文学の創作も土台がきちんと整ってこそ、韓国の作家たちがより愛され、海外ファンたちの心にもより感動を与えることができると思う。K-カルチャーの基盤コンテンツである韓国文学の価値をより高めるためには、さらなる努力が必要だ。

KOREA.netの読者や韓国文学に関心のある人たちに伝えたいメッセージがあるか。

韓国文学は私たちの人生の記録であり、想像力の源である。だから文学はすべての文化芸術の源泉だと言われる。韓国文学にはこれまで数多くの困難を乗り越えながら、少しずつ発展を重ねてきた。今日では韓国文学が映画やドラマ、ウェブトゥーン、舞踊、演劇など、様々なジャンルで脚色されている。今後も韓国文学は韓国の文化や芸術と共にさらに発展していくだろう。そして、その中心には国立韓国文学館がある。開館まで温かく見守ってほしい。

▲사진은 국립한국문학관 공모 당선작 ‘문학 빌리지’ 조감도. 문화체육관광부

写真は、国立韓国文学館の公募当選作である「文学ビレッジ」の鳥瞰図=文化体育観光部


jane0614@korea.kr