「クリーンな選挙を行うことが私の一番大きな夢だったが、今度その夢をかないました。」
アルマズベク・アタンバエフ(Almazbek Atambayev)キルギス大統領が総選挙を実施した次の日の2015年10月5日に所感を述べた。
政局の安定と民主主義の定着のために選挙自動化装備を導入することを強力に進めたアタンバエフ大統領は「国民が選挙結果を信頼して過去のようなデモが起きていないから私の人生で一番幸せな日の一つ」と、「今度の選挙で一番大きな夢がかなった」と述べた。
昨年12月国民投票で光学判読開票機に選挙用紙をいれているアルマズベク・アタンバエフ(Almazbek Atambayev)大統領(右)。キルギスに導入した選挙自動化システムは2015年5月地方議員補欠選挙,10月総選挙と翌年の12 月キルギス国民投票でも使用された。
アタンバエフ大統領が高く評価した選挙自動化装備の導入は韓国が進めてきた「キルギス選挙力量強化公的開発援助事業」で推進された。韓国の中央選挙管理委員会は世界選挙機関協議会(Association of World Election Bodies, A-WEB)及び、韓国国際協力団(KOICA)と相互に協力して2014年4月からキルギスの選挙自動化システムの支援事業を実施してきた。この事業は2013年10月、世界選挙機関協議会の創立総会で韓国の先端選挙情報通信技術を見たTuigunaaly Abdraimovキルギス中央選挙管理委員会の委員長がアタンバエフ大統領に建議をしたことが発端となった。これは1カ月後の韓-キルギス首脳会議(2013年11月)など、両国の高官会談で持続的に要請して「キルギス選挙力量強化事業」で具体化させた。
過去キルギスは1991年に旧ソ連から独立した後、民主主義を導入して数回選挙を行ったが、不正投票、言論弾圧などが絶えなかった。国民は政治に不信感を抱く、2005年と2010年2回にわたってデモを起こした。しかし相変わらず不安定な政局と二重投票、開票結果の操作など、選挙過程で不正が絶えなくて選挙結果の信頼度が下がった。特に選挙のたびに選挙人より投票用紙が足りなかったり代理投票などが頻繁で手開票が行われたため、開票だけで2~3日、長かったら1週間ほどがかけた。
2015年10月キルギス総選挙では選挙自動化システムが使用された。投票終了の後、資料の伝送を準備している姿
韓国はキルギスに選挙自動化システムの構築のため、事前分析とコンサルティングを徹底的に実施した。韓国のICTを使ったデータセンター構築、選挙情報システム及び光学判読開票機の開発普及、教育研修プログラム運営、専門家派遣など、ノーハウをキルギスと公有して支援した。
選挙自動化システムは2015年5月、キルギス地方議員補欠選挙で光学判読開票機100台を初めに導入して試験実施された。1カ月間の短い準備期間、有無線通信不良、悪天候など色々な困難があったが、5州49個の投票所で実施した選挙でシステムの正確性が検証された。5カ月の後、10月総選挙では全国の投票所に2千3百38台の光学判読開票機(precinct count optical scan, PCOS)を導入し、選挙が終わった後ただ2時間で開票結果の95%をわかることができ、選挙結果にたいして信頼を得られた。
韓国はキルギスで選挙自動化システムの構築のために現地の人力養成に乗り出している。キルギスでは選挙自動化技術関連の研修をする現地人
光学判読開票機は光線を使って電波式に投票用紙を読み取る機械で、選挙自動化システムの核心技術である。投票用紙を一般の投票箱に入れて一つずつ仕分けた既存の方式とは違って、有権者が投票の後光学判読開票機に投票用紙を入れるとそこについているインクを自動に認識できる。光学判読開票機を利用したら二重投票、代理投票、開票結果の操作など不正投票が遮断され、選挙の透明性と結果の正確性が強化できる。投票結果はインタネットを通してすぐキルギスの中央選挙委員会に伝送される。
国際の世論は総選挙に導入されたキルギスの選挙自動化システムを高く評価した。英国のフィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は2015年10月10日、「中央アジアで一番効率的な選挙制度を運営する国としていい例になると思う」と評価した。アメリカの地域専門メディア「ユラシアネット(Eurasianet)」も10月5日、「競争力と技術力があるこの総選挙は歴史的なターニングポイントになった」と評価した。
選挙自動化システムは昨年12月キルギスの国民投票で使われて、今年の11月の大統領選挙でも使われる予定だ。
国際の世論は2015年、キルギスに初めに導入されたキルギスの選挙自動化システムを高く評価した。キルギスの総選挙は「歴史的なターニングポイント」になったと評価したユラシアネット
選挙自動化システム導入の後に実施したキルギスの総選挙は69カ国6百13人の国際選挙参観団も見守っていた。以後カザフスタン、ウズベキスタンなど近国の特立国家連合(CIS)及びケニア、エクアドルと投開票電算化支援事業、選挙力量強化事業など、色々な事業を進行して今年各国の大統領選挙に選挙自動化システムの支援を推進中だ。
ユン・ソジョン、キム・ヨンア コリアネット貴社
写真 世界選挙機関協議会
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