政策

2023.06.08

今年5月、国務会議を主宰する尹錫悦大統領

今年5月、国務会議を主宰する尹錫悦大統領


[パク・ヘリ]
[写真=大韓民国大統領室]

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の外交・安全保障戦略を紹介する国家安保戦略書が7日、公開された。

国家安保室の金泰孝(キム・テヒョ)第1次長はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室の庁舎で記者会見し、「国家安保室は『尹錫悦政権の国家安保戦略:自由、平和、繁栄のグローバル中枢国家』を発刊した」と発表した。

外交・統一・国防など、外交・安保分野の政策方針を示したもの。2004年から新しい政権が発足するたびに、変化した安保環境や国政基調を盛り込んで公表してきた。

まず、3大目標として「国家主権・領土守護と国民安全の増進」「朝鮮半島の平和定着と統一未来の準備」「東アジア繁栄の基盤づくりとグローバル役割拡大」を掲げた。

また、米中間戦略競争の深化、北朝鮮の核・ミサイル能力の高度化及び新安保イシュー(サプライチェーンリスク、気候変動、パンデミック、サイバー攻撃など)の浮上など、急変している安保環境を評価し、このような安保環境の変化に対応するための戦略基調、分野別課題を具体的に提示した。

外交分野では、韓米同盟や韓米日協力を強化することに集中したいという方針を示した。韓米同盟は「グローバル包括的戦略同盟」の実現にを目指し、「地理的外延を、グローバル規模の範囲まで拡大させていく」とした。特に、今年4月に発表された「ワシントン宣言」について、「韓米軍事同盟は、核兵器を含め、新しいパラダイムの軍事同盟へと深化することになった」と評価した。

南北(韓国と北朝鮮)関係に対する尹政権の国家安保戦略は、北朝鮮の核と大量破壊兵器(WMD)を「安全保障上最優先の脅威」と定義し、「北朝鮮の脅威に対応する画期的な力量を備えなければならない」と表明した。具体的には、キルチェーン(Kill Chain)、韓国型ミサイル防御(KAMD)及び大量反撃報復(KMPR)を含めた韓国型3軸体系能力の確保や戦略司令部の新設、情報監視偵察能力の強化などを挙げた。非核化という究極的目標に関しては、去年8月15日、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の記念式典での演説で提案した「大胆な構想」で、北朝鮮が非核化へ移行できるようにする動力を確保するという目標を提示した。

グローバル経済安保に対応する体制を確立するため、米国、日本、欧州連合(EU)、オーストラリアなどと経済安保について戦略的コミュニケーションを拡大し、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」など、新しく形成されている経済協力のプラットフォームにも積極的に参加する予定だという。

金氏は「尹政権の外交・安保戦略基調は、自由と連帯の協力外交を展開し、国益と実用外交を追求すること」とし、「朝鮮半島や東アジア、そして世界の自由、平和、繁栄への貢献が政府の対外政策の究極の目標であり、地域とイシュー別に特化したグローバル外交を通じて実現するだろう」と話した。

「尹錫悦政権の国家安保戦略:自由、平和、繁栄のグローバル中枢国家」

「尹錫悦政権の国家安保戦略:自由、平和、繁栄のグローバル中枢国家」


hrhr@korea.kr