政策

2026.03.13

「2025大韓民国農業博覧会」K-農協イノベーション館で、デドン社のAI収穫・搬送ロボットを実演=2025年9月25日、ソウル、大韓民国農業博覧会

「2025大韓民国農業博覧会」K-農協イノベーション館で、デドン社のAI収穫・搬送ロボットを実演=2025年9月25日、ソウル、大韓民国農業博覧会


[シャルル・オデゥアン]

韓国政府は2030年までに、農家の生産性を30%向上させ、労働力を10%削減する「農業・農村AI大転換」に着手する。栽培から流通、農村生活全般にAI技術を導入し、慢性的な人手不足を解消しつつ、未来の競争力を確保する構想だ。

農林水産食品部と科学技術情報通信部は11日、「農業・農村AI大転換(AX)戦略」を発表した。

農業生産分野では、露地農業にAI技術や関連基盤を導入・支援する。今年は栽培地5カ所を対象に、白菜・長ねぎなど主要産地約500ヘクタールで灌漑管理や病害虫の予測技術を提供する予定だ。0.5ヘクタール以下の中小規模農地向けには、普及型モデルの開発も進める。

ドローンやスマート農機を活用した無人農業技術も開発する。まず稲、豆、小麦などの主要作物に適用し、その後様々な作物へと拡大する計画だ。また、今年6月からはAI防疫ドローンを活用して渡り鳥の生息密度を把握し、拠点消毒施設の無人化も試験的に導入する予定だ。

気象情報や災害データを分析し、AIを活用した災害リスクマップを構築する。さらに、農業用地下水の利用可能量をAIで予測し、先手を打った管理を行うなど、危機対応体制も整備する。

農産物流通分野でもAIの導入を進める。農産物産地流通センター(APC)での入荷、選別、出荷などの工程にAIを適用し、畜産物の等級判定にもAIを活用して精度と信頼性を高める。こうした取り組みにより、「スマートAPC」を今年中に55カ所を整備する方針だ。

写真は、スマートAPCの内部=慶尚北道

写真は、スマートAPCの内部=慶尚北道


実際に、慶尚北道・星州(ソンジュ)郡のメロンAPCでは、高性能カメラとセンサーを活用して品質やサイズ、果皮の欠陥などを自動判別し、等級別に分類するAI自動選別システムを導入した。その結果、時間当たりの選別量は20〜30%増加し、労働力は50%以上削減された。

今年下半期には、米や園芸農産物、畜産物などの栽培面積を把握するため、衛星を打ち上げる。農産物の需給予測システムも改善する予定だ。消費者が農産物の価格を比較できるアプリも、5つの地域で試験的に公開する。

オンライン診療や行政キオスク、ゴミの分別収集、バス停などにもAIを導入し、農村住民の生活の質を向上させる。また、農村環境の改善に向け、AIサービスを提供する農村生活圏を2030年までに100カ所以上整備する計画だ。

産業エコシステムの持続可能性を確保するため、2030年までに有望なスタートアップ3000社を育成する。農業データの活用体制も構築し、関連産業の基盤を強化する。

農林畜産食品部のソン・ミリョン長官は「AIは農業・農村の存続と将来の競争力を支える重要な基盤だ」とし、「農業・農村全体でAIによる変化を実感できる環境をつくっていく」と語った。

副総理兼科学技術情報通信部のペ・ギョンフン長官は「農業・農村のAI転換を積極的に支援する」と述べ、「農業AI技術の高度化や体系的なデータ活用など、多様な分野で農林畜産食品部や農村振興庁と協力していく」と語った。

caudouin@korea.kr