科学技術

2021.09.01

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KPLOに搭載されたNASAのシャドーカム


[チョン・ジュリ、イ・ギョンミ]
[写真=科学技術情報通信部]

科学技術情報通信部は30日、来年8月の打ち上げをめどに韓国航空宇宙研究院が開発している韓国型月周回衛星(KPLO、Korean Lunar Pathfinder Orbiter)に、米航空宇宙局(NASA)の精密カメラ「シャドーカム(ShadowCam)」を搭載したと発表した。

シャドーカムは、月の極地域にあるクレーターのように、太陽の光が当たらない「永久影」と呼ばれる場所を撮影する高精密のカメラである。

KPLOは今年10月に組み立てが完了すると、環境試験や最終点検を経て来年8月、米スペースXロケットを利用して打ち上げられる。重量678kgで、高解像度カメラ、広視野偏光カメラ、磁場測定器、ガンマ線分光器、宇宙インターネットシャドーカムが搭載され、月を探査する任務を果たす予定である。

シャドーカムが搭載されるのは、5月に行われた韓米首脳会談で締結した「アルテミス合意」の成果の一つである。

「アルテミス合意」は、米国が主導する有人月探査国際協力プロジェクトで、韓国・日本・英国・イタリア・オーストラリア・カナダ・ルクセンブルク・アラブ首長国連邦・ウクライナ・ニュージーランド・ブラジルの12カ国が参加する。2024年までに月面に人類を送り、2028年までに月に持続可能な有人基地を建設するのが主な目標である。

同合意に基づき韓国は、月周回衛星を月の軌道に乗せる航行技術や、地球から遠く離れたところから情報をやりとりする通信技術をNASAから無償で受ける。また、韓国はシャドーカムを通じて、人が着陸できるような月の候補地に水や資源などがあるかどうかや、地形の特性を測定してNASAに提供する。

科学技術情報通信部は「月探査は、韓国と米国の相互・互恵的協力を通じて、深宇宙探査の核心技術を確保すると同時に、今後、月着陸船の開発といった宇宙探査の出発点となる」と期待を示した。

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KPLOのイメージ写真


etoilejr@korea.kr