科学技術

2026.02.13

大面積の透明放射冷却フィルムの概念図=韓国研究財団

大面積の透明放射冷却フィルムの概念図=韓国研究財団


[キム・へリン]

韓国の研究チームが、真夏の直射日光下に駐車された車内の温度を、電力を使わずに下げる「透明放射冷却フィルム」の開発に成功した。

このフィルムを車両のガラスに貼りつけることで、車内温度を最大6.1度下げ、冷却に伴うエネルギー消費を約20%削減できる。

韓国研究財団は11日、ソウル大学のコ・スンファン教授、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のGang Chen教授、現代自動車・起亜の共同研究チームが、車両ガラス向けの大面積の「透明放射冷却フィルム」を開発したと発表した。

今回開発されたフィルムの最大の特徴は、従来の車両用コーティングやスモークフィルム(ティンティング)とは一線を画し、車内に蓄積された熱を外部へ放出できる点にある。このフィルムはナノメートル単位の薄膜を重ねた多層構造を採用。可視光を70%以上透過させてクリアな視界を確保しつつ、熱源となる近赤外線を効率的に反射して外部からの熱流入を遮断する。さらに、車内の熱を中赤外線に変えて放出することで、室内温度の上昇を防ぐ。

研究チームは、韓国、米国、パキスタンなど気候条件の異なる地域で、実車を用いた実証実験を行った。夏・冬それぞれの駐車および走行条件で検証した結果、フィルムを貼った車両は、あらゆる条件下で車内温度が一貫して低く維持されることが確認された。

研究チームは、この技術を米国のすべての乗用車に適用した場合、年間で約2540万トンの二酸化炭素排出を削減できると分析した。これは、道路上の車両約500万台分が排出する量に相当する極めて高い削減効果だ。

研究結果は、4日付で英国王立化学会発行の国際学術誌『Energy & Environmental Science』オンライン版に掲載された。

kimhyelin211@korea.kr