アバンギャルド実験映画の巨匠ジョナス・メカスは、映画を通じてカメラが捕捉する瞬間の動揺と抽象的エネルギーを伝達する独自の方法論を開拓し、60年代の実験映画の復興をリードし現在まで、平凡な生活の瞬間を映画的瞬間として記録し続けて来た。
本展は、生活の瞬間が作品制作の瞬間と同一であったジョナス・メカスの作品(60余編のフィルムと40余編のビデオ作品、2000年代以後のインスタレーション作品)の中から厳選した作品と、作者が創刊した『フィルムカルチャー』をはじめとする映画雑誌、各種書籍、写真などの資料まで網羅している。
詩的韻律で揺らめく一回きりの瞬間のイメージがモザイクとなっている展示空間は、アンダーグラウンド文化運動の革命の時期、リトアニアからアメリカに移住した作家本人の生活の歴史的軌跡などを表現している。