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belle waves #1
ミュージカル 『ラフヘスト〜残されたもの』
□作品紹介
第8回韓国ミュージカルアワード主要部門3冠に輝く傑作!
2024年1月に開催された第8回韓国ミュージカルアワードで作品賞、脚本賞、音楽賞の主要3部門を総なめにした本作。
韓国発の物語は激動で派手で感情のジェットコースターと思われがちですが、この作品はそんな予想を軽く裏切って、とても静謐なのにキュートで、じわじわと心に染み入ってきます。
韓国内のファンからは「こういう静かな作品は大ヒットはしないかも知れないけど私は好き」という控えめな感想が相次ぎましたが、むしろその反応から多くの観客が足を運び、最終的に観客評点が10点満点中9.9点という異例の大ヒットとなったのです。
“Les gens partent mais l’art rest〜人は去っても芸術は残り”
韓国を代表する天才芸術家と称された実在の二人の男性。
鬼才と言われた詩人イ・サン。韓国抽象美術の先駆者キム・ファンギ。
そして自身もエッセイストで評論家で西洋画家でもあったキム・ヒャガンは、この稀代の天才二人を夫に持った稀有な人生の持ち主。
本作はそんな彼女=キム・ヒャガンの人生を史実に基づいて描いたオリジナル・ミュージカルだ。
京城(現在のソウル)、東京、パリ、ニューヨークと1930年代を生きた女性としては稀なる経験で世界を渡り歩き、夫を支える古き女性像の中で生きながらも、自身の才能だけでなくパートナーたちの才能をも開花させた。パートナーたちへの愛によって芸術を完成させてたキム・ヒャガン。
このミュージカルは彼女が愛した人生を辿る旅だ。
キム・ヒャガンとは?
まだ本名であるピョン・トンリムを名乗っていた21歳のときに結婚し夫となったイ・サンを失うが、喪失の痛みを抱えながらも夫の魂を継ぐようにエッセイストになる。以後、恋に落ちることを恐れていたが、キム・ファンギと出会って美術評論家に転身する。ファンギが亡くなった後は、彼の空白を埋めるように自身も画家となり、個展を開く傍らファンギ財団・美術館を設立、夫の作品を世に知らせる役割を果たす。
本作の脚本家は「生前キム・ヒャガンは、“人は去っても芸術は残る”と話したが、芸術を愛したキム・ヒャガンの人生も残っていると思い舞台化にトライした」と語った。登場人物4人が芸術をどのように捉え、感じているかを表す丁寧な楽曲を通して、「美しさ」という言葉の意味を、改めて振り返るような珠玉のミュージカル作品だ。
日本版の見どころ:個性豊かな俳優たちとともにする、 人生とアートのクロニクル
日本で知られる20世紀初頭の韓国の芸術家と言えば、ミュージカルファンにとっては『SMOKE』という作品にも登場したイ・サンを思い浮かべる方も多いだろう。そのイ・サンの実際の妻だったキム・ヒャガンの生涯を軸に、韓国の近代史における女性と芸術にスポットをあてつつ、今を生きる我々にとっての芸術と人々の生き方について感じたり考えたりする機会になればと思う。
そしてこの作品の演出を担うのは、2022年の読売演劇大賞で優秀演出家に選出された稲葉賀恵。彼女にとっての初ミュージカル演出となるが、これまで担当した演劇作品における心地よいテンポ感や物語に寄り添った絶妙な音楽の使い方などはミュージカル作品でも十分に発揮されるだろうと期待が膨らむ。
また主演には韓国と縁の深いソニンがヒャガン役で初めて韓国ミュージカルに出演。今回ソニンは俳優としてだけでなく、訳詞にも挑みクリエイターとしての活躍にも期待だ。
ヒャガンの夫であるファンギ役にはダンスボーカルユニットLeadで活動しながら様々なミュージカル作品でも才能を発揮する古屋敬多。
孤高の詩人でありながら本作ではキュートな一面も見せるイ・サンを、繊細な表現力で様々なミュージカル作品で活躍する相葉裕樹が、イ・サンと恋に落ちる若き日のヒャガン=トンリムをここ最近ミュージカル作品で頭角を表す山口乃々華が演じる。
あらすじ:輝かしい時を経て、やがて芸術になる
2004年2月29日、ヒャガン(ソニン)は最期の瞬間に自分の人生を振り返るように手帳を一枚ずつ、一枚ずつ遡る。2004年の記憶から時間はさかのぼり、1936年、自由奔放な詩人イ・サン(相葉裕樹)とナンランパーラーで初めて会った時から、トンリム(山口乃々華)としての時間が順番に流れ始める。
最初の夫となったイ・サンの死後、もう芸術家を愛することはないと思っていたトンリムの前に現れた画家ファンギ(古屋敬多)。静かで控えめなファンギと手紙をかわすうちに少しずつ心が解け、苦しい思いをしてしまうかもしれない瞬間にも、勇気ある選択をしていくトンリムを見ながら、ヒャガンは自分の人生の岐路に起こったことが、結局、自分を光輝かせてくれていたと気付く。
Les gens partent mais l’art reste ─ 人は去っても芸術は残る。
イ・サンと共にした、そしてファンギと共にするすべての瞬間を経て、やがてヒャガンは自分自身が芸術になったことを悟る。
□出演
ソニン 古屋敬多(Lead) 相葉裕樹 山口乃々華
□スタッフ
Scripts and lyrics by Hansol Kim
Composed by Hyesung Moon, Hyeji Chung
演出:稲葉賀恵
上演台本:オノマリコ
訳詞:オノマリコ、ソニン
音楽監督:落合崇史
Original Korean Production: HONG company Inc.
Producer: Seunghee Hong
Copyrighted by Whanki Foundation-Whanki Museum
企画:avex live creative、conSept
後援: 駐日韓国大使館 韓国文化院
主催:ミュージカル『ラフへスト~残されたもの』製作委員会
□会場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都豊島区西池袋1-8-1)
電話 03-5391-2111(代表) ファックス 03-5391-2215
<受付時間>9:00~22:00(休館日を除く)
□公演日
2024年7月18日(木)~7月28日(日) 全15公演
月 | 7月 | ||||||||||
日 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
曜日 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
12:30 | ● | ● | 休演日 | ● | ★ | ||||||
13:30 | ● | ● | ● | ● | |||||||
16:30 | ● | ● | |||||||||
19:00 | ☆ | ● | ● | ● | ● |