経済

2014.06.16

国際信用格付け会社「ムーディーズ」が、韓国経済の見通しを「ポジティブ」とした。同社は9日、「韓国:リスク要因はあるものの、経済成長基盤は引き続き堅固(Korea:Economic Growth Fundamentals Remain Strong, Despite Challenges)」と題する報告書で、「韓国経済は、企業の高い品質・輸出競争力や財政政策といった政府の景気浮揚策などを追い風に、2012年から回復傾向に転換した」と評価した。

ムーディーズは、「工場新設など固定資産の追加コストの増加に加え、ウォン高傾向にあるが、企業のブランド競争力の高まりで輸出が増えている。補正予算の編成といった政府の景気浮揚策も景気回復を牽引しており、来年も韓国の経済成長は続く見通し」と説明し、韓国の2014~2015年の成長率を3.8%と予測するとともに、4月に起きたセウォル号沈没事故の影響による消費の萎縮などネガティブな影響は一時的だとした。

국제신용평가사 무디스는 한국경제의 성장기반이 견고하다고 평가했다. (사진: 연합뉴스)

国際信用格付け会社「ムーディーズ」は、韓国経済の成長基盤は堅固と評価した(写真:連合ニュース)



韓国経済は、米国の量的緩和縮小といった対外不安要因はあっても引き続き堅固だという評価だ。ムーディーズは、「韓国は世界の投資家らの間で“安全な投資先(safe haven)”といわれている。1997年のアジア通貨危機と2008年の世界金融危機の際に指摘を受けた対外的な脆弱性などが、現在は十分な為替保有高、銀行のリスク管理への取り組み、対外債務の縮小を通じて大きく改善された」とした。

韓国政府が積極的に推進する「経済革新3カ年計画」もポジティブな評価を受けている。ムーディーズは、「韓国は“経済革新3カ年計画”など構造改革への取り組みに後押しされ、他国よりも高い成長率を維持するだろう。女性・若者への雇用支援、労働市場の柔軟性強化、規制改革によるサービス部門の活性化は、物的・人的資本の減少といった構造的問題による韓国経済の活力低下を改善するだろう」と見通した。

一方、ムーディーズは公共機関の正常化について、「公共機関の負債の減少に向けて全省庁あげて取り組むことで、韓国の信用格付けの主要な制約要素である政府の偶発債務への懸念材料が減った。特に、“公共機関正常化対策”や“公共部門における統合負債の算出”などは、信用格付けにポジティブな政策」と評価した。また、「低所得層の第2金融圏からの借入増加や家計負債の急増に伴う消費の萎縮といった懸念材料はあるものの、このところ増加は鈍化傾向にあり、“家計部門の負債構造の見直し対策”といった政策的取り組みを続けていることもポジティブに評価できる」とした。

コリアネット イム・ジェオン記者
jun2@korea.kr