家庭において食品の安全で衛生的な包装と保管は常に重要である。
しかし、包装用ビニールラップや使い捨て用品は、環境ホルモンなど有害成分が疑われてきた。
ある企業が、有害物質のない素材でこうした心配を解消した。クリーンラップがその主人公である。
1980年代初め、韓国で生産されるラップ製品はほとんどがポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl chloride)材で製造されていた。PVCは人体に有害な成分である塩化ビニルモノマー(VCM:Vinyl chloride monomer)が含まれており、安全性への心配があった。そこで(株)クリーンラップは、従来の化学添加物ではなく、食用トウモロコシ油を添加した無毒性ポリエチレン(PE:Polyethylene)成分の「クリーンラップ」を1984年に市場に出した。
クリーンラップの無毒性製造工法は、韓国、オーストラリア、米国、日本、中国の5カ国で特許を取得した。クリーンラップは、米国食品医薬品局(FDA)の規格に適した材料を主原料として使用し、環境ホルモンやダイオキシンの心配がない。また、電子レンジで食べ物を解凍・加熱するときに使用しても安全で衛生的な状態を保つことができる。
クリーンラップは、無毒性ポリエチレン素材で作られ、安全で衛生的な食品包装が可能
クリーンラップは発売と同時に大人気となり、韓国市場シェア70%を達成した。無毒性の製造工法と包装フィルム技術力をもとに、クリーンラップのほかにもビニール袋、手袋、ジップロック、ゴム手袋、紙コップ、布巾など様々な抗菌製品を次々と発売した。クリーンラップの売上総額は、2013年に1200億ウォンを達成し、同年、クリーンラップとクリーンバッグ、クリーン手袋の韓国市場シェアはそれぞれ80%、72%、65%となっている。
クリーンバッグは材質が厚くて丈夫で、美容ティッシュのように一枚ずつ取り出して使うタイプとロールバックからちぎって使うタイプがある
クリーン手袋はFDA承認の原料を使用し環境ホルモンが発生せず、材質が厚くて丈夫で繰り返し使用が可能
(上)クリーンラップは中国では「クリーンライ(克林萊)」と呼ばれ、大型スーパーでベストセラーとなっている。(下)クリーンジップロックバッグは、多様なサイズのものが販売されていて、ラウンドファスナーロックにより密閉力が優秀で中身が漏れる心配がない
クリーンラップの人気は海外でも続いている。現在、中国、日本、アメリカ、オーストラリア、ロシア、カタール、アルゼンチン、フランスなど15カ国に輸出されている。特に中国では、1995年に上海に現地法人を設立し、翌年から中国市場への進出を本格化させた。クリーンラップは、中国では「クリーンライ(克林萊)」と呼ばれ、大型スーパーでベストセラーとなっており、多くの中国人が自国のブランドとして認識しているほどだ。クリーンラップは、進出から8年の2003年に中国市場シェア30%を達成し、現在、大型スーパー1500カ所で販売されている。全国35都市でも委託取引先を通じて一般消費者に販売されている。
コリアネット ユン・ソジョン記者
arete@korea.kr
クリーンラップで製造したゴム手袋。天然生ゴムのみを使っており、皮膚保護剤を添加し、長期間使えるのが特徴
クリーンラップのペーパーホイルはくっつきにくく、高い耐熱性、耐保持性、耐水性を持ち、オーブン料理や焼き、蒸しなど様々な用途で使用可能
キョンサンナムド(慶尚南道)キムヘ(金海)市にあるクリーンラップ本社
2013年に設立されたクリーンラップ上海工場有限公司