英国王室がエリザベス2世の即位60周年記念の陶磁器に選んだ韓国陶磁器のプラウナ「クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー」
ダイヤモンドの形をしたスワロフスキーの原石が精巧にあしらわれ、金色と赤の王冠が輝く青い皿とカップ。
韓国陶磁器が2010年に発売したプラウナの「クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー(Queen's Diamond Jubilee)」だ。韓国陶磁器は、この製品で英国王室からエリザベス2世女王即位60周年記念の陶磁器の制作会社に選ばれ、世界から注目を集めている。
韓国陶磁器の製品は、英国王室だけでなく、国際イベントでもよく目にする。メインの供給会社として各国の在外公館に納品してきたためだ。
韓国を代表する陶磁器として認められている韓国陶磁器の歴史は、1943年に忠清北道チョンジュ(清州)のある場所から始まった。かつて韓国の陶磁器産業は、家内制手工業の形で行われていた。韓国陶磁器の創業者で元会長のキム・ドンス氏は、借金に追われる状況の中にありながらも、「韓国最高のものをつくる」という意気込みで10人余りの従業員とともに事業を立ち上げた。しかし、朝鮮戦争とその後のプラスチック容器の流入は、販売不振と経営難に拍車をかけた。
キム会長は、これに屈することなく製品開発に取り組んだ。韓国陶磁器は、品質向上のために一流の陶磁器を生産する英国から転写紙(陶磁器を印刷する際に使う印刷画紙)を輸入し、1970年代に韓国で初めての模様入りの陶磁器ホームセット「皇室薔薇ホームセット」を発売、大ヒットした。
1973年にキム会長は当時の大統領夫人故ユク・ヨンス氏の招待で大統領府を訪問した。その席で、ユク氏から国賓らに堂々と差し出せる高品質の陶磁器を生産してほしいという依頼を受けたキム会長は、韓国で初めてボーン・チャイナを生産・納品した。こうして生産されたボーン・チャイナは、薄くて軽く、丈夫で保温性に優れていた。それ以来、現在まで韓国陶磁器は大統領府に陶磁器を納品している。
パク・チョンヒ元大統領が使用していた韓国陶磁器の製品
韓国陶磁器の品質と技術は、ローマ法王庁でも認められている。同社は、1990年にローマ法王庁から陶磁器制作の依頼を受け、イエスの誕生を描いた絵と言葉を刻み、ヨハネ・パウロ2世直筆のサイン入りの陶磁器を特別に制作・納品した。
韓国陶磁器がローマ法王庁の依頼を受けて1990年に制作した製品。イエスの誕生を描いた絵と言葉が刻まれ、ヨハネ・パウロ2世直筆のサインが入っている
韓国陶磁器の職人がプラウナの製品に宝石をあしらっている。クリスタル細工や手工芸技法などを駆使して精巧につくられているプラウナは、芸術的な生活陶磁器として知られている
韓国陶磁器は2004年にプレミアム・ブランド「プラウナ」を発表し、再び飛躍を遂げた。「プラウナ」は、クリスタル細工や手工芸技法などを駆使し、陶磁器の美しさと実用性を同時に備えた製品だ。「プラウナ」は、「Proud(誇り高い)」「Profound(奥深い)」「Una(ひとつ)」の合成語だ。「プラウナ」の全製品は、ボーン・アッシュ含有率が50%以上という最高級のボーン・チャイナで、無鉛釉薬と24Kの金・白金に韓国陶磁器の技術と職人の精神が組み合わせられている。
韓国陶磁器は、現在国内シェア1位で、昨年の総売上高は500億ウォンだった。
韓国陶磁器の製品は海外でも人気だ。現在、米国や中東、欧州、トルコなど約50カ国に輸出されており、総売上の約30%を輸出が占めている。ニューヨークのブルーミングデールズ(Bloomingdales)百貨店や英国のハロッズ(Harrods)百貨店などにも韓国陶磁器の売場が設けられている。
忠清北道清州市の韓国陶磁器の本社と工場
コリアネット ユン・ソジョン記者
写真提供:韓国陶磁器
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