高麗人参は、古くから漢方医学で薬効が認められており、数多くの医学書に効能が記されている。
朝鮮時代の医書『東医宝鑑』によると、高麗人参は失われた体の精気を補い、視界を鮮明にしてくれる。また、精神を安定させ、記憶力をよくし、吐き気やしゃっくりを抑え、痰を切ってくれる。このように、高麗人参は心と体を安定させ、病に打ち勝つ体にする代表的な生薬だ。
特に、韓国産の高麗人参は、優れた効能でよく知られている。韓国の中でも高麗人参の栽培地として有名なチュンチョン(忠清)南道クムサン(錦山)で生産された高麗人参は、大きくはないが身がしっかりしていて、良質のサポニンが多く含まれていることで知られている。そうした錦山高麗人参本来の効能と風味を楽しめるよう開発されたのが「錦山高麗人参酒」だ。
錦山高麗人参酒は、高麗人参の産地として知られる錦山で栽培された5年根以上の高麗人参に、米、麹、天然岩盤水を加えて昔ながらの方式で低温発酵させた醸造酒で、まろやかでほんのりとした高麗人参の香りと風味を楽しむことができる
錦山高麗人参酒は、約1500年前の百済時代(18B.C.~A.D.660)に製造された酒だ。朝鮮時代に執筆された農業百科辞典『林園十六志』には錦山高麗人参酒の秘法と効能が記されている。錦山高麗人参酒は、朝鮮時代の死六臣(李氏朝鮮時代前期、世祖によって王位を追われた端宗の復位を図って鞭打ちの拷問の後、凌遅刑(牛裂きの刑)で処刑され、後年忠臣として顕彰された6人の政治家)の一人であるキム・ムンギ(金文起、1409?~1456)の家庭の製造技法によって醸造された酒で、この家紋で継承され、現在16代目名人のキム・チャンス氏(無形文化財第19号)によって広く伝えられた。
高麗人参を原料に醸造された酒は身の回りでよく見かける。しかし、錦山高麗人参酒は、高麗人参に焼酎を入れて煎じた浸出酒とは違い、5年根以上の高麗人参に米、麹、天然岩盤水を加えて昔ながらの方式で低温発酵させたもので、他とは一線を画す。錦山高麗人参酒は、飲んだ翌日も二日酔いになることはなく、一杯の酒から漂うまろやかでほのかな高麗人参の香りと風味は絶品だ。
錦山高麗人参酒は、韓国内外の数多くの酒類品評協会から表彰され、価値が認められており、中国、台湾、香港、インドネシアに輸出されている。昨年11月には農林畜産食品省主催の「我が酒品評会」の一般蒸留酒部門で大賞を受賞した。
コリアネット ユン・ソジョン記者
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